みんな自分だけの悩みと「あの時もしも」の過去がある

AM(アム)で恋愛に関する連載を書いていた頃の私は、20代後半だった。
去年、30代に突入して、今年は31の年だ。
この5年間の間で、年齢による恋愛観の変化があったかと言われると、
特にない。

もし変化があるとすれば、
それは付き合う相手が変わったからだ。

これまでも、私は付き合う相手によって、
恋愛観を変えてきたので、
年齢が考えを変えてくれたわけではないし、
考えが固定したわけではない。
恋愛観は、これからだってきっと変わるだろう。

だから、恋愛すればその時々に初心者のように悩むし、
していなければしていないことに悩む。

そして、悩みから
解放されることがないのは、私だけではない。

もちろん、旦那さんとラブラブで
幸せな夫婦もいるけれど、
ずっと幸せで悩みがない夫婦はいない。
結婚している・いないに関わらず、
恋をしている・いないに関わらず、
自分だけの悩みと「あの時もしも」の過去がある。

「人間」であることから逃れられない限り、
恋愛の悩み戦線からも離脱できない。

つまり、恋愛において私は何も悟っていないけれど
「上がり」がない他に、「悟る」こともないんだ
わかったことが30代での大きな変化だ。

「悟る」ことも「上がる」こともないこの人生の中で、
気持ちや状況が変わることには抗えないけれど、
一瞬一瞬、永遠を誓うような気持ちで、
目の前の相手を愛せたらいいと思う。
そのどちらもないということはつまり、
「人生最高の恋愛」は更新され続けるということだから。
そしてその気持ちをぶつけられる相手がいることが 今一番の幸せです。

Text/伊藤春香(はあちゅう)

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