キスフレを上手く作る方法

─植島さんが書かれているような、「キスフレ」(※キスをするだけの異性の友人)ができたらすごく楽しいと思うんですけど、そうすると周りからあまりよく思われない傾向があるようなんです。
うまくやる方法はありますか?

植島:これは男子の双肩にかかっていますね(笑)。男の方にそういう文化がないので。
ハグしたり、キスしたりすると、この次はベッドだと男は思うわけです。
そう考えてしまうのはとても残念ですよね。
これって本当に地域でいうと、東アジアだけのことで、アラブだろうとイスラムだろうとヒンドゥーだろうと、そんな考え方はないんです。
当然のようにスキンシップする国の方が多いですから。

 日本、中国、朝鮮半島などの人々は、儒教の教えっていうのもあるかもしれませんが、すごく潔癖主義だし、人を許さないところがあるでしょう。
こんなに堅苦しい国って世界を旅してもあまり見つからない。
ラテン系もアフリカの国々も、他のアジアの国々だってもっと自由ですからね。
好意のしるしのキスとかハグって素晴らしいことだから、もっともっと一般的になったらいいんですけどね。
まあ、キスはまだちょっと抵抗あると思うけど、ハグくらいは挨拶がわりにできるようになったらいいですね。

─推奨したいです。

植島:男女間の関係性って好意をもつからこそ築ける豊かな関係というのがあると思うんです。
でも僕らは、いったん好意を持つと、恋愛か否か、結婚か否かってという二択を迫られることになる。
恋愛には、セックス以外にもいろいろな幸せがいっぱい詰まっているのに、早くこの先の段階までいってセックスしたいとか考えてしまうのは、すごく貧しいんじゃないですか。
ハグしたり、キスしたり、一緒に肩くっつけあっているだけで幸せな状態というのは、本当は生きていくうえで一番大きな喜びなんじゃないかと思います。

 そこをいったんすっ飛ばしちゃうと、もう戻れないんですね。
一度セックスしちゃったあとでは、手をつないでも、以前のような喜びとはまた違ってくる。ハグしても同じ。
どうしても、またベッドに行こうかみたいな話になってしまう。
セックスの手前にある一つひとつの喜びは大切にしなきゃいけないと思うんですね。
だからキスとかハグとかも、もっと女性から積極的に仕かけてあげて、男性に大切なことだとわからせてあげたらと思います。

─なるほど、生きる喜びとして、自然に行っていったらいいんですね。
でもすぐに、あれどういうつもりだったの、とか意味を確認されることもありますよね。
その場が楽しかっただけというのが中々許されないというか。

植島:あはは(笑)。そうですね。
でも人間はずっと理性的でいるなんてことはできないですからね。
ちょっとお酒入ったりしたら、そりゃあ人間変わったりするし。
でも、色々変わっていいと思うんです。
自分は絶対こうだと、かたくなに考えない方がいいと思いますけどね。

─自分の一貫性をあんまり信用しない方がいいんですね。

植島:お酒はそのために飲むんですよ(笑)。

─お酒の失敗とかいいますけど、失敗と捉えないでもいいじゃないかってことですよね。
女性は比較的優等生な子が多くて、「お酒を飲んでヘラヘラしちゃったな」みたいな気分になっちゃうのかもしれません。
そこを自分も変わるもんだって思っていれば、楽になれそうです。

植島:女の人ってちょっと几帳面な人が多いから、あのときはちょっと私じゃなかったの、みたいになりますよね。

─言いがちですよね(笑)。それも全部自分だと認めて楽しむということですね。

植島:そのあたり、女の人は30過ぎくらいから少しずつよくなるんじゃないですか。

─20代の時が一番厳格ですね。価値を落としちゃいけないというような。

植島:「あのとき隣の男と手を握り合ってたじゃないか」って言われたりね。
「あれは私じゃ、ありません」みたいな(笑)。