甘えられない大人の女がうまく甘えるコツ            

中村うさぎ 甘えと依存 AM インタビュー AM編集部

―そうですね。それでは、どうやったら大人の女性が上手く甘えられると思いますか?
そもそも甘える必要はありますか?

中村:ここはなかなか私には分からないですね。
というのも、私自身が甘えるのが得意な方ではないんです。
その人にどこまで言っていいのかを常に気にしてしまって、そこで甘えるぐらいだったら自分でやっちゃえって思ってしまうので。

―その気持ちが分かる女子は多いと思います。

中村:めんどくさくなるんですよね。
「甘える」のも気を使う人にとっては負担なので。
だったら、1人でさっさとやってしまうと。
大人の女になるほど甘えられないというのはそういうことだと思うんだよね。
若いときはあまり距離感だとか考えないから。

だから、何とか大人の女の人が上手く甘えられるコツを提案するとしたら、まず相手が甘えてもらいたがっているかどうかを見極める必要がありますね。
そもそも相手が甘えてもらいたがってなければ、無理に甘える必要はないですから。
分かりやすい男の人で、自分に好意を持っていたり、「何でも僕を頼りにしてね」とか言いたがる人だったりしたら、甘えた方がいいだろうし。

とはいえ、わかりづらい男の人が多いから、私だったら「甘えちゃっていいかな」と直接聞いてしまうかもしれないですね。
大抵「いいよ」と言われるんですけど、もしもそこで「ダメ」って言われたら相当嫌われていると思うし(笑)。

「甘えて得しているように見える女は
影で失敗しているんだよ」

―あと、どうしても、甘えて得している女の人が多い気がしてしまうんですけど。

中村:その人はちゃっかりしているんだと思うんですよね。
同性から見て「得してる」と思うのは一部の成功例で、意外と影でたくさん失敗しているのかもしれない。
でも、そんなことは人に話さないだろうし、失敗は人の目に着かないよう隠蔽されるからね。

―たしかに失敗も多いのかもしれません。

中村:私の知り合いにも上手下手は置いておいて、すぐ甘える女の人がいて。
でも、そういう人って女性にも甘えている。
男子にだけ甘えているんだったらテクニックだと思うんだけど、男女問わず甘えている人は天然なんだよね。

それにその内容も、「それ頼むの?」ってことなんですよ。
私がびっくりしたのは、服とかアクセサリーとかちょっとかわいい物を私が持っていたときに、「かわいい! 要らなくなったら頂戴」とか言うこと。
要らなくなっても、何でお前にあげなくちゃいけないんだよ!(笑)

―どんな心理なんでしょう。得したいんでしょうか?

中村:おそらく得したいというのと、かわいがられたがりなんでしょうね。妹でいたい、というような。
いつも皆にくっついていて、リーダーシップは決して取らないんだけど、気がついたらこっちがいろいろやらされててる。
「なんで、いつも私が幹事なの?」みたいな。
それで、かわいがられたいのに同性に嫌われてしまったり。
私はそういう子に結構冷たいので、その子にとっては「中村に甘えてはいけない」という失敗体験だよね。

―そういう人は目指そうとしてなるものではないんでしょうか。

中村:そうだね、根っからの甘えん坊の人は天然なので意識してなれるものではないと思うんだよね。
もしも、絶対に失敗しない百発百中の甘え方があるとしたら、一大条件があって。
それはかわいいこと(笑)。
同じことをしてもかわいい子とかわいくない子では男の受け取り方が180度違うので。