『イクの語源どこから来たの問題』の仮説の決着

春画 歌川豊国《絵本開中鏡(えほんかいちゅうかがみ)》1823年 画中に「いく」と書かれている

今回出した『イクの語源どこから来たの問題』なのだが、「ゆく」「やる」の意味を考慮すると「お浄土どへ逝ってしまう」という意味よりも、「精神や心がここではない所へ行ってしまう」というオルガズムの興奮や緊張からの解放を心理的に表現したのではないかという仮説を出した。

しかしながら性交渉中の快楽を仏菩薩の恵みと重ねたり、未知なる「死」に重ねることがあることもわかった。

ちなみに、オルガズムは性器の刺激以外からも感じることがあると分かっているが、脳のどの領域がオルガズムの官能的な興奮を感じているのかなど、まだまだ解明されていない部分があるようだ。

しかし今後科学でオルガズムの仕組みが全て解明されても、わたしたちはセルフプレジャーやセックスでの快楽の絶頂に「イク!」とう言葉を使い続けるだろうし、私たちにとってセックスが「五利生(ごりしょう)」であることに変わりはないんだけどね。

《参考文献》
小学館『SHUNGART』
小学館『新選古語辞典』
雄山閣『好色艶語辞典』
作品社『オルガズムの科学』

Text/春画―ル