キスって、よく考えたらめっちゃリスキー

余談ですが、赤穂浪士・小野寺十内の妻・丹は、夫の切腹後4ヶ月にわたり絶食し、命を断ちました。これぞ、究極の愛といえるでしょう。4ヶ月ですよ、4ヶ月! ミカコちゃんなんて4ヶ月どころか4週間、いや4日……いや食後4時間ほどで「腹が減ってきたぞ」「何か食べたいな」と、食べ物を求めてしまうのに! 週末プチ断食によるダイエットが流行っていますが、お腹が空いて心が挫けそうになったら、小野寺十内の妻・丹に思いを馳せることをオススメします。金土日食べないくらいで「辛い」なんて言っていたら、チコちゃんならぬ小野寺十内の妻に叱られますよ。

話を戻しましょう。口は、生命維持の役割を担う超・大事な部位です。その大事な大事な口を塞ぐのが、キスという行為! よく考えたらめっちゃリスキーじゃん。ずーっとキスし続けていたら、呼吸できなくなるので、いずれは死にます。食べ物を摂ることもできないので、いずれは死にます。そう考えるとキスって、命がけの求愛表現といえるでしょう。呼吸することよりも、食べ物を摂ることよりもアナタとの・キミとのキスを選ぶのですから!

キスは究極の求愛表現

そういえば恋をすると、食事も喉を通らない現象が起きますよね。性中枢と満腹中枢はご近所さん。恋により性中枢が刺激に満ちることで、その刺激がお隣さんの満腹中枢も刺激し、食欲が低下すると言われています。どうやら人類には、恋に命をかけてしまう本能がカスタマイズされているようですね。

なので命をかけても構わないほど愛しているって、大げさに聞こえるかもしれませんが、とんでもない! 人類の本能なのですよ、命がけの恋は。だからこそ江戸時代には、近松門左衛門が『曽根崎心中』を大ヒットさせたのでしょう。オ-ストリア皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーとの心中事件を、宝塚歌劇団は舞台化したのでしょう。アン・ルイスは『六本木心中』を唄ったのでしょう。

以上を踏まえキスとは……! 命がけの恋がしたい人類にとって、命をかけても構わないことを証明するための、究極の求愛表現とさせて頂きます。