再会で知ったピースフルな感情

 その彼とは、私が諦めるかたちで関係を解消した後、会うこともなく、10年が過ぎました。
ところが、仕事関係で再会することに。
「いいオンナになった感を見せつけなくては…」「また昔みたいな関係になったらどうする?」と気合いを入れて会ったんですが、私が感じたのは、心地の良い“抜け感”でした。
「あぁ、そういえば、この人とエロい関係だったこともあったなぁ…」と回想しながらも、感情は冷静で、「今でも、私としたいの?」とけしかける余裕もありました。
それに、本命のパートナーとセフレを同時進行することに罪悪感がない彼の恋愛観は相変わらずで、一旦「本命コース」に乗れなかったら、セックスの探究相手にしかなりえないことも客観的に理解できました。
「そういう人間関係は、今は必要ないわ」と、スッと心の中で線引きしました。
その時のピースフルな感情は、地獄を見た女性だけに贈られる神様からのギフトかもしれない!と感動すらおぼえました。

 自分の経験を振り返ってみて思うのは、自分の魅力を出せるだけ出し切って、成就しなかったなら、人間関係の多様性を知るための修行期間だったんだと昇華させることが、健全な女性のハッピーエンドだと思います。
セフレとのハッピーエンドを「彼女に昇格」と思っているうちは、
「セフレ」というちょっと擦れた言葉のニュアンスで誤魔化されてるけど、「片思い」ですよね。
「好きなのにセフレ」という状況は、心身ともに強いストレスになるので、全くオススメできません。
彼との関係性の中に一生ものの経験として学ぶことがたくさんあるなら別だけど。

 ちなみに、私がセフレスパイラルに陥ることがなくなったのは、「したい人としたい時にしたいことだけをする」ということを徹底するようになったから。
自分のセクシャリティーに主体性を持って向き合うと、搾取感のある「セフレ」という言葉がかすみます。
私が、「素敵ビッチ」という言葉を生み出したのも、そういう背景があるんです。
モヤモヤしたセフレ関係から解脱して、明るく健やかにセックスを楽しめる日がやってきますように。
心から応援しています。

Text/OLIVIA

特集《セフレと恋愛はできるのか》
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ハッピーエンドでも、悲しい結末でも「セフレとの恋愛の始末のつけ方」を考えてみる。