あえて「しない」のだとしても

 高齢童貞側の言い分にも目を向けてみましょう。今と昔では、だいぶ変わってきているように見受けられます。昔は、「童貞を捨てたいのはやまやまだが、悲しいかな俺を異性として見てくれる女性がいない」という事情が多かったような気がします。ところが最近は、「女性に興味がなく、セックスをしたいとも思わない」という男性が増えてきました。『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』というドラマがありましたが、「俺 セックスできないんじゃなくて、しないんです」といったところでしょうか。

 彼らは、痩せ我慢しているわけではなく、ガチで女体にもセックスにも興味が持てないようです。だったら仕方ないよなぁと、高齢童貞側の主張に納得させられそうになりかけた筆者に、担当編集I嬢がボソッとひと言……「大多数が興味を持つことに、興味が持てないって、変わり者ですよね」と。確かに! 興味の度合いに差はあれど、セックスは大多数が興味を持つ行為ですからね。

 AMは女性向け媒体ですが、男性も読んでいるであろうという前提で、この場を借りて、高齢童貞の皆様に申し上げたい!
興味が持てなくとも、騙されたと思って、一度セックスしてみてはどうかね? 
やっぱり、大多数から支持されている行為って、なんだかんだで良いものなんですよ。

 筆者自身も、処女喪失までは、男性にもセックスにも興味が持てませんでした。当時の筆者は、宝塚歌劇の追っかけに無我夢中で、生身の男性ではなく、男役さんにゾッコンLOVEだったわけです。そんな折、ひょんなことから処女喪失に至り、これまでの価値観が一変しました。生身の男性って最高、セックスって最高!と。

 興味が持てないって、要するに期待値ゼロってことですよね。過度な期待がないからこそ、意外な感動が待っているのだと思います。

 ここまで書いたからには、「女性にもセックスにも興味が持てないが、騙されたと思って、一度やってみるか!」と決意した高齢童貞を受け入れる、懐の深さも大事だなぁと痛感! ぶっちゃけ、高齢童貞とセックスするとしても、期待値ゼロと思う女性がほとんどでしょう。でも、過度な期待がないからこそ、意外な感動が待っているかもしれません! 多分……。

Text/菊池美佳子

次回は <「だって彼女じゃないし…」セフレ宅で挨拶はするべきか?>です。
セフレの家に泊まったとき、住人のみなさんに挨拶するかどうかって迷いますよね。みなさんはどうしていますか?菊池美佳子さんが悩むのは、挨拶しても挨拶しなくても自分が意味深な存在になってしまうことでした。