トラウマになった回答

厳しい〆切スケジュールを課したイケメン編集者の一件がトラウマで、イケメンが苦手になったわけではございません。
トラウマといえば、3~4年前に1度だけセックスしたイケメンのほうが、よっぽどインパクトがありました。
セックス場所は、港区某所にある彼の部屋。ワインセラーがあるようなシャレオツマンションでした。
水回りがあまりにも綺麗だったため、「ゴハンはどうしているの?」と訊ねたところ、「作ることもあるけど、面倒なときはオリーブを摘まむ程度で済ませる」との返しが! ひえぇー、これぞイケメンの模範解答!

メシを作るのが面倒な際、「オリーブを摘まむ程度で済ませる」って、イケメンしか言えないセリフですよね。
これを普通の男が言ったら、「何を気取っているのだ!」って、笑い飛ばすでしょ? 
筆者なんぞ、メシを作るのが面倒な際は、ファミチキと柿ピーで済ませるというのに(『ナンパ男はヤルまで諦めない?「不本意なセックス」をしたときの反省文』に書きましたが、筆者はファミチキと柿ピーが大好物なのです)。

「オリーブを摘まむ程度で済ませる」だなんてセリフを聞いた後のセックスですから、緊張感が漂うのは当然のこと!
乳首やクリトリスを摘ままれるたびに、「この指でオリーブを摘まんでいるのだな」、と、いちいちオリーブの件がフラッシュバックされるのです。
オリーブという食べ物がトラウマにならなかったのが奇跡ってくらい!

そういったトラウマもあり、イケメンを敬遠していた筆者ですが、冒頭でも述べた通り、先日久しぶりにイケメンと甘いひとときを過ごし、すっかり考えが変わったのでした。
顔を眺めているだけでも、目の保養になるんですよね。というわけで、体位はモチロン正常位がベスト! 騎乗位や座位もアリ。

そして、なんといってもチンですよ! チンって、いやチンに限らずマンもですけどね。
性器って男女問わず、どれだけのイケメンだろうとカワイコチャンだろうと、なんだかんだでグロテスクなビジュアルをしています。そこに興奮があるのだと気付きました。
「こんなにも眉目秀麗な殿方だけど、チンはグロテスクなのね……!」というギャップこそ、イケメンとのセックスにおける最大の醍醐味なのでしょう。
以上を踏まえ、すっかりイケメン好きへと転じた筆者。

ま、ごく単純に、今回のイケメンは「メシを作るのが面倒な際は、オリーブを摘まむ程度で済ませる」と言わなかったってだけの理由かもしれませんが。
そう考えると、イケメンとのセックス前は、「ゴハンはどうしているの?」などと、余計な質問はしないほうが良いと言えるでしょう。

Text/菊池美佳子
初出:2016.7.4