同情を理由に恋愛関係を維持するのは相手にフェアではない。
それは相手の気持ちを弄ぶ行為である。
もう終わらせようと心に決めたのに、まだ未来があるかもしれないと相手にほのめかすのは嘘以外の何物でもない。

 どんな言い訳で取り繕ったところで、別れを切り出したい方が有利な立場にいる。
悪者になりたくないがためにフラれるのを待っているのなら、それはあまりに自分勝手な考え方である。
だからこそ、曖昧な言動でお互いを混乱に招くよりも、勇気を出して絆創膏を剥がすべきだ。

 感情的になっている友達の横で外野から冷静に分析する自分は、歯に衣着せぬ言葉ばかり放っている。
親しい仲になるほど容赦がない。

 もちろん、実際に同じ状況に身を置けば、そんな冷静な決断を下す自信はない。
恋愛というドロドロの中で足掻いているのに夢中で、常に正しいと思えることを選ぶのなんて不可能に近い。
本当のところは彼らにしかわからないし、どう前に進みたいかを決めるのも彼らの勝手である。

 だから、もう話題を変えよう。
60分の無料恋愛カウンセリングを約束したつもりはない。
もちろん、それでも友達として全てがうまく行くように遠くから応援している。
どちらに転んだとしても、胸くらいは貸してあげよう。

Text/キャシー

次回は <誰も若いままではいられない>です。
年老いていく自分を直視すればするほど、若さがいかに価値を持っていたか、この世界がいかに若さばかりを重視していたかを感じ取ることができる。LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をご紹介!トロントに暮らすゲイのキャシーさんのセックスや恋愛に関するコラムです。