「自然とパートナーと呼べるような関係になれば悩むこともないんじゃない?」

 ある日、そんなことを言われてピンと来た。
いつまでもパートナーという通過点に辿り着けないから、こうして恋人を紹介する言葉に困っているのだ。
恋愛とは目的地を目指す過程である。
そう考える人は少なくない。
その目的地は結婚だったり、子供だったり、孫だったりする。
そして、デート相手や恋人という呼び名はそこに辿り着くまでの通過点を表すタイトルだ。
どんどん前に進んで、呼び名がポケモンのように進化してこそ意義のある恋愛という人もいる。
次の通過点に辿り着いていないのに心地の良い場所を見つけて、前に進まずにしばらく休暇を楽しんでいる私たちのための言葉はまだないのだろう。

 だからといって、今すぐ支度をしてパートナーという通過点を目指すべきだという結論に急ぐことはない。
誰かが決めた通過点や目的地は絶対ではない。
どんなルートを通って、どこで休んで、どうやって遠回りや近道をしようと、それは自分たちで決めることだ。
パートナー未満というステータスだって悪くはない。もしかしたら、この場所が気に入ってこのままずっと長居するかもしれない。
そうなれば、周りに紹介する言葉にこれからも悩むだろうが、それを心配していたら何も出来ない。

 どうしても自分たちの関係を呼ぶ言葉が必要なら創ることだってできる。
例えば、パートナーとフレンドを組み合わせてパフレとかどうだろう。
今年の流行語大賞も狙えるかもしれない。

Text/キャシー

次回は <目の前の痛みが怖くて別れられない>です。
次回は「別れ話」について。別れるということは傷付かなければいけないのに、そこから逃げていませんか?「意味の無い優しさ」は別れにはいらないのです。