こんな白黒ハッキリ分かれていて、主観的な善悪があって、共存が難しい話題は面白いように人間を踊らせる。
iPhoneかAndroidか、任天堂かソニーか、塩かタレか、そうやって派閥が出来上がると、人間の視野はぎゅっと狭くなって、相手を論破することばかりに夢中になってしまう。
多様な意見に耳を傾ける余裕はどんどん減っていく。それをインターネット越しでやってしまう人もいれば、目の前にいる友達や家族とやってしまう人もいる。
そして、デート相手と同じようにやり合えばどんな状況陥るかは想像に難くない。

 人間はそれぞれ違う意見を持っている。その違いがあるから人間は面白いし、お互いに惹かれ合う。
意見というものは流動的なプロセスでもある。新しいものを学んで、見たこともないものに触れて、自分の考えを疑うことで、意見は常に変化していく。
だから、その瞬間の意見だけで判断しても相手がどんな人なのかはわからない。
その意見の向こうにあるものにも目を向ける必要がある。
うまく関係を築いている保守とリベラルの両極端なカップルだって珍しくない。
考え方に食い違いがあっても、もしかしたら意外な部分で繋がっていることもある。

 交際して長い彼氏とは政治の話をあまりしないようにしている。
新しい食器を買うだけで細かい色の違いを長時間議論してしまう私たちにとって、これ以上炎上する燃料はいらない。
彼がリスペクトと思いやりのある人だということはわかっている。今はそれだけで十分だ。

Text/キャシー

次回は <自分さえ気持ちよければそれでいいセックス>です。
LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をご紹介!トロントに暮らすゲイのキャシーさんのセックスや恋愛に関するコラムです!今回は「セックスとコミュニケーション」について。相手が気持ちいと思えるセックスを皆さんは意識できていますか?