どこの会社にもビッチはいる

田口:結構最近は男性の方が女々しい感じがあるなと思っていて、どこの会社にもヤリマンがいるじゃないですか。

湯山:そう、銀行にも、外務省にも(笑)。

祖父江:ヤリマン同士はお互いを助けあうんですよね。みんな口が堅い。
でもそのビッチとやった男のほうがポロッともらしちゃうことが多いですね。自慢したがるというか。
冷静に考えたら社内の誰とヤッたと言おうが何の評価にも繋がらないじゃないですか。でも男性は言っちゃいますよね。

湯山:そこだよね。口が堅いかそうじゃないかって。
私の周りの世代の人達は気をつけていますよね。だから業界内や東京内は難しいなと。

女性が金で性を割り切ること

湯山:かつて、広告代理店のプロジェクトで女性の欲求に関して分析する会が合ったのだけれど、1番多かった意見の違いは、「女の人は金銭的に割り切ってセックスすることが出来ないんじゃないか」ということでしたね。
私はそれに対して「違う」と言っていて。というのも、40半ばでモテる女性の友人が、彼氏がいなくて日照ってしまった時期に「セフレは難しい。関係を持つと相手がストーカーになったり被害にあうことがあるから、いっそのことお金の関係にしたい」と話していたんです。
それって、もう男を「買う」ことですから。

 もうひとつ、女性向けの風俗の難しさは、女性がセックスしたい理由は色々あって、それこそ今添い寝フレンドが増えているといわれているように、「肌を温めていい子いい子してもらうこと」から、「ガンガンの本番セックス」までの間にすごいレイヤーがあるから、均一化できないという問題がある。

 女の人はうるさいので、ホストやレンタル彼氏といったサービスを提供する側は女性が何をしてもらいたいかという思考をものすごく読んで、それに合う細かいサービスをしなきゃいけない。
単に抜くサービスと違って、こういうことができる男は限られるから、コスト的に難しくて破綻するよね、と言っていたのが5、6年前。

 ただ、この映画を撮っていくうちに、特に女性向け性感マッサージ「ヒメシエスタ」の細やかなサービスをみて、これなら大丈夫だなと思いましたね。十分成り立っている。
(※詳細はぜひ映画DVDを!)

祖父江:性感マッサージのシーンがいいところで切れていたと思うんですが、R指定をつけないと公開できなかったんです。
うちのテレビ東京側の了承が得られず泣く泣く切ったシーンです。(※イベントでは未公開シーンが上映されました)

「ヒメシエスタ」のミズキさんは紙袋にワインやグラスを入れてホテルに持ってくるんです。女の子がシャワーを浴びている間にいい香りのアロマを漂わせたり。
最後まで描ききっている作品はないので知られていないのですが、女性向けの性サービスの内容はかなり充実しているんです。
お金を払えばここまでやってくれるということが、映画内に入れることができなかった。
それこそ金で欲を満たすということが、これだけダイレクトに女性へのサービスとして行われているということをできれば伝えたかったです。