滑稽な男と、輝く女

ジムノぺディに乱れる 日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト 行定勲 峰なゆか 峰なゆかさん

―峰さんの印象に残った濡れ場はありますか?

M:古谷の元妻の濡れ場です。
「教え子とのセックス」や「勝気な女優との廃墟でのセックス」は、男の夢なんだろうな~ってわかるんです。でも、「元嫁が現嫁のために、好きでもない男とセックスする」なんて、そうそう思いつかないぞ!?と衝撃的でした。

―あのシーンも「男の夢」なんですか?

Y:あれはね、「男の夢」というわけじゃないんです。だってあのシーンの男たち、滑稽じゃなかったですか?
元々、日活ロマンポルノは、「女性の裸」というロマンを、美しく、ときに生々しく描いたものなんです。男たちが滑稽であればあるほど、女たちが力強く輝く。そんな構造のものなんですね。
あのシーンは男の夢というより、女性の美しさを際立たせるためにつくってますね。

M:滑稽といえば、古谷が立ち食いそばのお代を女性に払わせてるシーンも印象に残ってますね。どこまでダメなやつなんだ~ってグッときました。

Y:グッとくるんだ(笑)。

M:グッときます。「ダメなおっさんとダメな恋愛してみたい」って欲望あるじゃないですか。私も二十歳くらいの頃はありました。でも、アラサーがそんな願望もつと、けっこうな額のお金を貸しちゃったり、「ダメな恋愛」がシャレにならないんですよ。
だから、アラサーはこの映画を観て、空想するだけで満足してほしいですね。

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