「日本製ポルノ」の影響

 30前後のインドネシア男性らと話す機会があったのですが、彼らと話していると、今までに感じたことのない感覚といいますか、なんだかよそよそしい、距離みたいなものを感じるのです。でも不思議とこちらに興味をもっている視線も感じる。

 話ていくうちに、どうも彼らは私のことを「日本人女性」と強く意識していることが分かってきました。

 ラブ・ジャーナリストの私としては、ついつい突っ込んだ性の話をし始めたりするのですが、彼らはそうなるとせきを切ったように結構積極的に色々な質問をしてくるのです。

 例えば「日本人女性はどんな風に口説けばいいのか?」「日本人女性はものすごくセックスが好きなんでしょ?」「日本人はSUKEBE(スケベ)ねー」なんて日本語も交えて来たりします。「あなたは結婚しているの?残念〜!」
半分、口説きも入ってきます。

 どうも彼らは日本人は超絶とエロいと思っているのです。
その理由は、ずばり「日本製ポルノ」と、ジャカルタにいる日本人男性の影響があるようです。

 彼らに言わせると、ジャカルタに住んでいて出会う日本人男性は「ものすごくエロい」のばかりなんだそうで、かつ日本製ポルノの中で見るキレイなのにエロいことばかりする日本人女性…。
「日本って男も女もエロいから、皆めくるめく充実したセックスライフを過ごしているんだろう!すばらしい国だ!」だと信じているのだとか。

 彼らがまさか日本を「充実したセックス大国」だと思い込んでいたことも驚きですが、「エロい日本人男性はどんどん世界に流出している」というのも、日本の将来がますます心配です。日本列島からエロくて仕事もできる男が、どんどん世界に流出しているということなんでしょう。

 そんなジャカルタの彼らに私は残念ながら、 日本のリアルについて話すことになります。

「いやいや、今日本はセックスレスに少子化で…」
「セックスが好きではない日本人女性は結構いる」
「インドネシア人が思っているように日本製のものは車でも時計でもすごい。それと同じくポルノも質もいいし種類も豊富。テンガとポルノビデオがあれば、本物の女性はいらない、面倒だって思ってる日本人男性もいる」
等々。

 この話をしたら、彼らは本当に頭を抱えてがっかりしました。さらに、愛に飢えている日本人女性と恋をするのは、実はインドネシア人の女性より簡単らしいという話に移って行くのですが、またその話は来週につづきます。

Text/中村綾花