スピリチュアル・占い好きは男を萎えさせる

 ナンパの主は、駅を挟んで反対側に住んでいる23歳の大学院生でした。細かい経緯は覚えていないのですが、彼の部屋で宅飲みしようということになり、コンビニで缶ビール等を買い込んでいざ彼の家へ。
筆者は、カバンの中のだるま様に、心の中で何度もお礼を言いました。

 はい、ここで大事なのは「心の中で」というところです。間違っても初対面の男性に、「今日ね、だるま市の帰りなの。私の友達が去年9人グループで行って……」などとベラベラ喋っては、お相手のチンポが萎えてしまいます。
男性にとって、私たち女性のスピリチュアル好き・占い好きは理解不能なもの。「あなたと出会えたのはだるま様のおかげね♪」というセリフは、心の中だけにとどめておきましょう。

 さて。宅飲みという名目のもと、当たり前の如くセックスに至った大学院生と筆者。
セックス後は、帰ろうと思えば帰れる距離だったのですが、酒の酔いもあって動く気になれず、とりあえずお泊まりさせて頂くことにしました。就寝前、「朝はちゃんと送っていってあげるからね」と大学院生。なんてイイ子なのでしょう! ピンクのだるま様よ、本当にありがとう! 
こうして筆者は、大学院生の腕枕で、安らかな眠りに就いたのでした。

 と、言いたいところなのですが。明け方、けっこう早くに目が覚めちゃったのですよ。人サマの部屋ということで、熟睡できなかったのでしょう。考えてもみたら、シングルベッドで大のオトナが二人で寝るって、けっこう窮屈なものですよね。熟睡できないのも当然です。
睡眠不足な筆者の脳裏には「帰りたい」という欲求が湧いてきました。どうしても、一人のベッドでゆっくり寝たかったのです。

 そして筆者は、横で爆睡している大学院生のベッドを抜け出し、そーっと部屋を出たのでした。
「朝はちゃんと送っていってあげるからね」と言ってくれていたのに、申し訳ないねぇ。ま、次に会った時謝ればいいか……と思っていたのですが、「次」はありませんでした。