「オナニーする女=負け組」の概念を覆した女

 大学卒業後に就職した企業は、何故か似たもの同士が多く、こざっぱりとしたポジティブヤリマン率が異様に高い職場でした。
ある時、別の支店にいる同期の女子Mさんと業務連絡の電話をしていると、彼女が「今日出勤しようと思ったらね、玄関にローターが転がっててうっかりオナニーしちゃったから盛大に遅刻したんだよね」と言ったんです。自分からサラッとオナニーの話をするなんて! この女、かっこいい! って思いました。
オナニーの話をすることがかっこいいというわけではなくて、オナニーは恥ずかしい行為ではないという態度がかっこよかったんです。
 
 人前でオナニーの話をすることが立派だとか素晴らしいとは思っていませんが、セックスをする人は勝ち組でオナニーをする人は負け組という、自分の中で密かに持っていた偏見が消えました。私が自分のオナニーの話をできるようになったのはこの時からです。

 それからは、他の友人との下ネタでもサラッとオナニーの話を小出しにし始めました。「彼氏からローターをもらって使ってみたら結構ハマったんだよね」と振ってみると、話したくない子はスッと聞き流すんですけど、興味のある子は「ローターどう? 私も欲しい!」とか「私、ローターだと1分でイクんだよね」と話を掘り下げてくれます。

 仲のいい友人とオナニーの話も共有できるという喜びと、オナニーを自然な行為として会話にできる解放感がとても心地よくて私は好きです。
生まれ育った地域特有の感覚なのかはわかりませんが、私や私の周囲の友人たちには自分の恥ずかしい部分やかっこ悪い部分も、仲の良い人には話したいという気持ちがある気がします。仲間内にオナニーの話を振ってみると、「実はバイブとかも使ってみたいんだよね」「オナニーではイケるのにセックスではイケなくてね」などという話がボロボロ飛び出てきていつもびっくりします。

 もちろんいくら仲のいい友達でも、セックスの話もオナニーの話も話題にしたくないという人は少なからずいるので、空気を読まずに自分の性生活を聞かせたり、無理に聞き出したりするのはNGです。
でも、軽いジャブ程度に話してみると、意外と「実はこういう話したかった!」という人はいます。それがきっかけで、お互いの性の悩みも打ち明けられるようになるということもあるので、友人と下ネタを楽しみたいという人は、試しにサラッと話してみるといいかもしれません。

Text/Betsy

次回は <自分のアホ面が気になってイケない!オーガズムの最大の敵・羞恥心の克服法>です。
イッたふりをする演技は逆にオーガズムを遠ざける!とBetsyさんは何度も提唱しているものの、「恥ずかしがる」ことと「羞恥心をなくす」ことを両立させるのってなかなか難しい!演技せず心も裸になれるセックスは理想ですが、はたしてどうすれば簡単にたどり着けるのでしょうか?