一度はポップに解放されたのに
また蓋をされた女の欲望

 また、時同じくして、大人の女性には「レディースコミック」という女性向けエロ漫画が一大ムーブメントとなっていました。
なんと、当時発行部数が50万部近いこともあったとか!
さらに、男性の方も「ギルガメッシュナイト」という深夜のエロ番組が繁栄し、よもや90年代初頭は世の中総スケベ時代だったのです!

 そうして世の中はスケベで溢れ返り、人々は刺激に刺激を重ねエロゾンビに…。
結果として過激の一途を辿り、問題視され、淘汰されていったのです。

 またしても人々は性欲をひた隠しにする時代がやってきました。
TVでおっぱいを見るのが困難になるほどに…。
しかし、そこにタイミングよく現れたのが、ワールドワイドウェブ…そう、インターネット。ネットの普及によって、日本人の性欲はポップから、より陰湿なものに変化を遂げていくのです。

 一度はポップに解放された女の性。
しかし、バブル崩壊のごとく、その浮かれモードは一瞬でした。

急速に世間に抑圧され、自由を奪われ、あっという間に私もスケベを前面に出せない女になっていきました。
隠さなくてはいけない、という妙な圧力を感じたのです。
そして女性の性的コンテンツはリアリティからファンタジーへと変化し、ボーイズラブブームへと流れていったように思います。

 いかがだったでしょう。
このように、時代を遡ると、女性だって性的コンテンツを楽しんできたのです。
メディアもその可能性を感じ、スケベを供給していたのです。

「女の欲望は、いつの間にか蓋をされていた」これが私の仮説です。
次回からは、この仮説を元に、さらに深い女性の欲望をひも解いてゆきたいと思います。

Text/牧野江里

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