バセドウ病と橋本病の主な原因

 以上2つの病気は、甲状腺に対する「自己抗体」ができることが原因。
抗体とは、ウイルスなどの異物に対抗して作り出されるもので、本来なら異物を攻撃・排除し、体の健康を守るために働きます(この力を免疫システムといいます)。

 しかし、なんらかのきっかけで免疫システムに異常が起こり、体の中で自己の甲状腺に対する抗体が作られてしまうと、その抗体が体に必要な甲状腺を異物とみなし、攻撃を始めます。
その結果、上記のような様々な症状を引き起こします。

 バセドウ病も橋本病も、なぜ女性に多いのか、その理由ははっきりわかっていませんが、そもそも女性は免疫システムに異常を起こしやすい傾向にあることが原因のひとつではないかと考えられています。
また、家族性が高い病気といわれていますが、もちろん近親者に甲状腺の病気の人がいなくてもかかる可能性はあります。

 甲状腺の病気は様々な症状が出ることから、他の病気と間違われるケースも少なくありません。
もし、上記に当てはまるような症状があったら、病院を受診してみてくださいね。
多くの場合は甲状腺に腫れがみられますので、疑いがある場合は血液検査で甲状腺ホルモンの数値を測ってもらいましょう。なお専門は、甲状腺科、内分泌内科になります(その他の科でも血液検査は可能です)。

 どちらの病気も症状のひとつとして月経不順がありますし、治療をしないままだと流産のリスクがあります。
ただ適切な治療をすれば妊娠・出産もできます。
治療法については主治医とよく相談してくださいね。

 次回は、女性にとって大切な栄養素、カルシウムについてお届けします。

監修/松村圭子先生
Text/平川恵

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