コタツでセックスできるのか?

そうこうしているうちに、互いのアソコを舐めようとするのだが、動きづらいし狭すぎる。幅は120cmほどで、高さは50cmほどしかないのだから当然だ。そこで僕は「2人で抱き合えば寒くないからこたつから布団だけをはがそう」と言い、コタツ用絨毯の上に寝て布団をかけた。コタツは脇に寄せた。しかし、電気がついていないと猛烈に寒い!

そこで、コタツ布団は再びコタツ板の下に戻し、漫画誌をコタツの脚の下に置き、20cmほど高くした。これにより上下で抱き合うことができたが、スースーと寒気が入ってくるし、裸の尻がコタツの熱を発する部分に当たり、今度は痛い。

見つけ出した「奥の手」

しばらく「熱い!」「痛い!」などとセックスを続けたのだが、長続きはしない。そこで奥の手を繰り出した。先程と同じように、コタツ布団をコタツから外し、中に入る。そのうえで、コタツを横に倒して電気をつけるのである。燦燦と闇の中で太陽のフレアのごとく輝くコタツのお陰で室内全体が温まり、ようやく我々は快適なセックスをすることができるのだった。

由美とは今でも時々会うが、あの奇妙かつ青春っぽいセックスは今でも我々の貴重な思い出となっている。ただし、あれ以降は我々も多少はカネを稼ぐようになったため、きちんとラブホテルを使うようになったのである。

Text/中川淳一郎