いざ、2回目のセックスへ

僕としては彼女は最初は気のないセックスをし、次回から本気を出すタイプなのだと自分にとって都合よく解釈した。そして、その後も彼女のコメントをメディアで見ることはあったのだが、やはり過激である。次回こそは! と期待をしたのだが、やはり恥ずかしがり、初回と同じような気のないセックスになった。

あぁ、これは多分彼女のブランディングなんだな、ということは分かった。僕に対して好意がないため、気のないセックスをしているのかと思ったが、明らかに慣れていない感じなのだ。性体験豊富なオンナ、私! といったイメージ作りに成功し、その路線で仕事を獲得したため、パブリックイメージとして「性の達人」を演じているのでは、と思った。そう考えると彼女は無理をしていたのではなかろうか……とも思うのだ。

このとき、彼女には恋人はいなかったが、結局この1年後、結婚をする。「ニノミヤさん、私が結婚したことは絶対に内緒よ。未婚で遊びまわっているイメージを維持したいので(笑)」と結婚祝いの飲み会をしたときに言われた。当然僕は「分かってますよ! おめでとうございます!」と伝え、以後、飲み友達であり続けたが、その後セックスをすることはなかった。

Text/中川淳一郎