お互いの趣味には干渉しない

たとえば私と夫の場合、映画やドラマの好みが正反対です。私は『スタートレック』シリーズなどSFを好み、夫は『ブリジットジョーンズの日記』などラブストーリーに感情移入し涙を流します。夫は私の好きな映画に対し「宇宙人のイザコザ、いつも同じ話」と言い、私は私で夫の好きな映画が「また出会っていろいろあって離れて愛を確認するやつかぁ……」とどれも同じに見えています。

最初の頃はお互いの好きな映画を観て、お互いに対する理解を深めようと努力しました。しかし宇宙船内で火花が散るたびに「ワープ航法はあるのにヒューズはないんだね」と皮肉を言う夫にイライラしましたし、恋人たちの喧嘩を見て「みんな感情的過ぎない? ちゃんと人の話聞けたらこの映画10分で終われるよ」と言う私に夫もイライラしたことでしょう。

そしてある日気づいたのです。「無理してお互いの趣味を理解する必要はないのかも」と。
趣味に関しては距離を置くようにしてから、お互いの趣味に対して不満も疑問も抱かなくなりました。

とはいえ、相手の趣味を知ることは相手の喜ぶツボを知ることにも繋がるので、多少は知るようにはしています。

“趣味が同じ人”より“趣味への熱量が同じ人”と

ここまで配偶者に趣味を理解してもらうためのポイントを書いてきましたが、一番肝心なのは“どんな相手とだったら趣味と結婚生活を両立できるか”、そして“どんな相手を配偶者として選ぶか”です。
共通の趣味がある人と結婚するのも、もちろんありだと思います。でもそれよりさらに大事なのは“趣味に対する熱量が同じ”であることです。

私と7度目の結婚相手には『スターウォーズ』という共通の趣味があり、それがきっかけで仲良くなりましたが、私は映画を何度も観て世界観をより深く知る楽しみ方を、元夫は1本何十万円もするライトセーバーやグッズをコレクションする楽しみ方をしていました。夫のお金を何に使おうが構いませんが、リビングなど共有スペースがグッズで埋まっていくことにはとてもストレスを感じていました。それが直接的な原因ではありませんが、結果として私たちは離婚しています。

一方で私の友人に長年V系を追いかけている女性がいるのですが、彼女が結婚相手に選んだのは声優を追いかけている男性でした。“ライブ遠征したい” “グッズを買いたい” “推しの養分になりたい”という気持ちを理解し合えることが結婚のきっかけだったそうで、子供が生まれた後もお互いに仕事を融通し、交代でライブに行けるよう協力し合っているそうです。

趣味自体が違っても、趣味への熱量が同じならお互いを理解しやすいようです。

趣味は生きるための活力

冒頭でも書きましたが、趣味は生きるための活力です。
結婚生活を送るために趣味を犠牲にしてしまった知人たちの話を聞き、また私自身何度か、趣味に対する認識のズレでパートナーと擦れ違うという経験をし、夫婦にとって無理なく楽しく趣味を継続するにはどうしたらいいのだろうと考えてみました。

「趣味」がきっかけで相手に強制されていないか、相手に無理強いをしていないかを一度振り返ってみるのもおすすめです。また、人生のパートナーを選ぶ際には「趣味が合う」といった側面だけではなく、どういった楽しみ方をしているのか、相手の趣味を許容できるかといった認識や価値観に温度差がないかを事前に話し合ったり確認してみるのもいいと思います。

結婚生活と趣味の両立は、決して不可能ではありません。

Text/ごまたん

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