パートナーが「病気」になったとき

そして「どうにもならないこと」の中には「病気」も当然含まれる。

メディアに出てくるのは「病気のパートナーを支える家族」の方が多い気がするが、実際は病気がきっかけで関係が悪くなり別れてしまうケースも少なくはないだろう。

昔、妻がガンになり夫との関係が悪化し離婚、子どもは妻が引き取るというドキュメンタリーを見たことがある。
当然「ガンの妻と幼い子ども見捨てるなんて」と夫に批判が集中していたのだが、正直同じ立場になったら自分もどうなるかわからない。

やはり病気で苦しければ余裕がなくなりパートナーに当たってしまうだろうし、パートナーも病気とわかっていても当たられ続けたら参ってしまう。
だからと言ってパートナーの負担にならないように、弱音を吐かない、というのも辛いだろう。
とにかく双方辛く、関係が破綻してしまってもおかしくない。
もちろん「見捨てるわけにはいかない」とパートナーを支えようとする人も多いと思うが、日本は「家族を見捨てるわけにはいかない」という動機で共倒れになってしまうケースも多い。
支え合うのがパートナーであることに間違いはないが「1人で支えなければいけない」というわけではない。
むしろそう思ってしまったがために限界が来て別れる結果になったケースもあるだろう。

パートナーが病気になったら、1人で献身するのではなく、一緒に支えてくれる人、もしくは支える俺を支える何かを増やすことが重要である。

だがそれ以前に、病気にならないことが一番だ。
どんなに気をつけても病気になる時はあるが、それでも「酒をたくさん飲むとアルコール依存症になる」ように、生活習慣と病気発生率には大きな関係性があり、気をつけるにこしたことはない。

そして病気をすると体やメンタル的な負担だけではなく「お金」がかかり、それがまたメンタルの負担になるのだ。

体というものは基本的に無料で貰ったものである。
最近は技術が発達しているので、後から追加料金を払ってオッパイを大きくしたり、逆にキンタマを取ったり増やしたりなどオプションをつけることも出来るが、最初からある程度はタダでもらっている。

運良く健康に生まれてきたなら、その体を大事に使いさえすれば、無駄な課金はある程度防げるはずなのである。
それにも関わらず、健康体というSSRを最初から引いてしまったせいで、その価値に気づけず、雑に扱い、失ってから後悔することも多い。

そんなわけで今回のテーマは「夫婦の健康に良い食べ物」であり、テーマを言った時点でもう尺がない。

うちは夫の職業柄野菜を良く貰ってくるし、私が外出が地雷のため、外食はほとんどしないので、食事の栄養バランスはそんなに悪くはないと思われる。

しかし、何度も言っているが私の作る料理はよく腐っている。

だが、元は栄養価の高い肉や野菜だし「発酵」という概念もある。
腐っていても健康に悪いということはなく、むしろ良いのではないか?

もしかしたら、腐敗を発酵と言いはる、オーガニック系アカウントはこうやって生まれているのかもしれない。

Text/カレー沢薫

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