テニスのあとは…

 テニスのあとは着替えて軽食パーティ。テニスはかなりラフな格好なので、ここでみんなめっちゃ念入りにメイクしておしゃれしてました。みんなアラフィフですよ。女はいくつになっても可愛いなあ。
パーティで気になる相手と個別に話して、最終的にカップルになりたい相手を2名まで書けました。かなりの確率でカップル誕生しそうです。
だって5名中の2名書けるんですよ。「これまで60組のカップルが誕生しています!」っていう数が売りのイベントだったけど、そりゃそうだよね。この日も3組のカップルができてました。

 和久井はというと、LINEのIDをいただいた方がいましてですね。会の最中にお世話になったのでテニスの翌日お礼を送ろうとID検索したんですよ。そしたら「IDが見つかりません」とか言われてそもそも相手が見つからないの。

 もともと、この方の連絡先はもらっているので、最終の指名は他の人でいいかなみたいな適当な感じで他の人の名前を書いたら、そっちとカップリングしちゃったんですよ。
結果的に、会の最中にめっちゃ話して世話になった相手を選ばず、連絡もしないというたいそう不義理な状態になってしまいました。

「あんなにたくさん話したのに選ばれなかった自分はダメな理由があるのだ」とか思い詰めてたらどうしよう。
心変わりの理由があるとしたら、間違ったIDを教えられたことなんだけど、まあとにかくそんな深い理由はないので、婚活での出会いで傷つく必要はないですよ、と言いたい。

 まあもしかしたら「気があるフリだけしてウソのIDを教える」みたいな高度な技だったのかもしれないしな。意味分からないけど。

 しかしテニスやら婚活パーティやらに参加する男性は、めっちゃ真面目そうな人が多いですね。真面目に仕事して、コツコツやってる感じ。いっぽう和久井は、ライターっていうだけで珍しがられます。そうしたら、

「AVのシナリオ書いてます」とか、
「AVにエキストラ出演してました」とか、
「ティーンズラブコミックの原作書いてます」とか、
いったいいつ言えばいいんだ?

 「じゃあやらせろ」みたいに勘違いされると面倒くさいし、情報開示のタイミングが難しい。自分の経歴を隠すつもりはぜんぜんないけど、「AV関連の仕事してますがいいですか?」でもないし、相手のノリが真面目だと言うタイミングは来そうにないし、けっこう面倒くせえなあと思ってます。

 そう思うと、以前、AVスタッフの男性たちとSMの女王様たちとの合コンという、もう行く前から面白そうなに混ぜてもらったことがありました。アウトローな人たちって、多様性に対して寛容なので、なんでも話せます。あれは気が楽だったなあ。

Text/和久井香菜子