子どもがいる場合、事情が変わってくる

ただし、うちはもう家庭に中年しかいないのでそれで良いかも知れないが、子どもがいる家庭であれば「性の話がご法度」というのはあまりよろしくないのかもしれない。

私は、そういう家庭で育ったため、エヴァンゲリオンのエロ漫画に出会うまで、セクロスが何をするのかさえ知らなかったのである。
私にセクロスを教えたのは親ではなくエヴァ(原作は見ていない)だったのだ。

それまで私は「性知識ゼロの女子中学生」という、自分がエロ同人誌に出てきそうなキャラだったのである。
幸い、そんな私に悪事を働こうという大人は現れなかったが、知識がなければそういう人間が近づいて来ても自衛なんかできるはずがないのだ、危ないところであった。

もちろん、子どもというのは親が教えずとも、恐るべき知識欲と行動力により「セクロスとは何か」という謎を自力でいつかは解き明かすものだが、子どもがグーグルに「正しい性知識」などというワードを打ち込むはずがないのだ。
大体「セックス」「エロ」「おっぱい」とかである、つまり子どもが独自でたどり着く性というのは「コンテンツとしてのエロ」の場合が多いため、正しい知識どころか、間違った知識や偏見を持つことになりかねない。

やはり正しい性知識は周りの大人が教えるしかないのだ。
18禁と言うように、子どもをエロに近づけてはならぬという法はあれど、エロと性は全く別であり、性から子どもを過剰に遠ざけることにより、逆に子どもを危険にさらしたり、逆に正しい教育をしなかったことにより、性的加害者にしてしまうことだってあるのだ。

「エロ禁止」という家風が間違っているわけではないが、それでも「性は別」と考えて、知識として必要なことは教えた方が良い。

ちなみに、女子には女子、男子には男子の知識を教えれば良いというわけではない。

今は知らないが、昔は保健体育で生理の話をする時は女子だけ集められていたが、完全に間違っている。
これでは「生理は男に関係ないもの」と言ってしまっているようなものだ。

確かに自分の体には直接関係ないにしても、性的な意味でなくても異性と接する機会はどうしたってあるのだから、お互いのことは知識として知っていた方が良いに決まっている。

男だって大人になってから「どうして、女は月に1回手負いのメスゴリラになるから、細心の注意を持って接しろ、と授業で教えてくれなかったのか」と嘆いている人も多いだろう。

子どもを危険から守るため、何より男女和合のためにも、正しい教育というのは必要なのである。

カレーなる夫婦生活が書籍化!

夫婦コラムのはずの本連載が、土方歳三への愛を綴った廃人日記として書籍化されました。

愛に生き愛に死ぬカレー沢さんのガチャ爆死録は必見です!