セックスでキレイになることは皆無なのか？と考えると、下着はキレイになるような気がする。
他人に見せるとなると、あんまりヨレヨレのボロボロもどうかと思って新調するから。

　私も新しい男ができるたび、新しい下着を買っていた。
だが「せっかくだし高級ブラを買うか」と奮発すると、今度は「手洗いするのがクソ面倒くさい問題」が発生する。

　安物のブラは洗濯機でガンガン洗うが、高級ブラはワイヤーやレースが傷むのは避けたい。
そこで私のような無精者は「コンピュータが将棋の名人に勝つ時代に手洗いって、縄文時代かよ」とうんざりして、「めったに洗わない」という選択をする。

　その結果、汚れや汗じみが目立たぬようダークカラーのブラを選び、着用前にニオイを嗅いで「よし、まだイケる」と判断するという、「高級だが不潔」という状態になる。

　そんな無精者にとって救世主が現われた！

　昨今、ブラ専用の洗濯グッズ（ブラをカップキーパーにかぶせてネットに入れて洗濯機で洗える商品）が開発されて、私のブラはキレイ（＝清潔）になった。
アンアンさんも洗濯グッズを誌面で取り上げてはどうか。

「下着に凝ったところで、男は下着の値打ちなんてわからない」という意見もある。
言われなくとも、男性に高い安いの見分けがつかぬことなど百も承知で、高級ブラを買うのは完全に自己満足だ。

　その昔、繊細なツタの刺繍の入ったモスグリーンのブラをつけていたら、夫に「甲子園球場みたい」と言われた。「昼は作家で夜は球児」というギャップはなかなか悪くない。

　個人的には、リアルな葉っぱや木のツルをあしらった、難攻不落の基地ジャブローみたいなブラをつけてみたい。てっぺんからミサイルが発射されるとさらにカッコいい。
下着メーカーの開発を待ちたいと思う。

Text／アルテイシア

※2016年9月20日に「TOFUFU」で公開しました

　過去10年間に執筆したエロコラムが詰まった『アルテイシアの夜の女子会』が2018年2月7日に発売。表紙はTOFUFUでも連載してくださっているカレー沢薫さんのイラスト。BL研究家・金田淳子さん、妖怪作家・ぱぷりこさんとの対談も収録。

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