あばずれ番外地

性犯罪の事件が報道されると「親が愛して育てた大切な存在なのだから、人を傷つけてはいけない」という言説が出てくる。
そういうのを見るたびに「この人は親に愛されて育ったんだろうな」と思う。あと『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』とか観たことないのかな、とも思う。
世の中には親から性的虐待を受ける子どももいるのだ。

私は親から愛されて育ったという実感がない。むしろ「この家にいたら死んでしまう」という危機感から、大学進学を機に家を出た。
そのへんのことはVERY妻になりたかった母の死に書いたので、ぜひ読んでつかあさい。

バイトしながら4畳半のアパートで自活をして「まあ、何とか生きていけるんじゃないか」と思った矢先に、阪神大震災が起こった。
地震の数日後、瓦礫だらけの神戸の街でバッタリ父に出くわすと「なんやおまえ、生きとったんか!」と言われた。

震災報道でメディアが家族の絆を強調する中、「ああ、やっぱり誰も助けてくれない、守ってくれない」と感じた私は、この安全じゃない世界で生きていくのが怖かった。
足元がぐらぐらで立っていられず、どこをどう進めばいいかわからない。その結果、あばずれ番外地を爆走することになった。

それまで1人しか性体験がなかったが、震災後は手あたり次第、何十人もの男とセックスした。だけど私はセックスがしたかったんじゃない。
抱きしめられて、頭を撫でられたかった。「大丈夫、怖くないよ」と言われて、安心して眠りたかった。

でもそんなことしてくれる男はいないので、しかたなくセックスというエサで男を釣っていたのだ。夜一人で眠るのが怖かったから。
そんな過去の自分を可哀想だと思う。あの時、私はまだ18歳だったのだ。