みんながみんな石田純一ファミリーになれなくてもいい

 海外旅行のパンフレットなんかを見ていると、よく、「家族3代ツアー」「親孝行孫の顔見せ旅行」みたいなのあるじゃないですか。奇跡かな。ほんとにそんなことあるのかな。結婚生活が進むに連れ、そんなことは、私の人生には起こりそうもない、と実感するばかりでしたが、実家との距離が開くたび、私と旦那と息子の団結力はかえって強くなっているような気がします。「私が守ってあげる!」ってドラマ『高校教師』で桜井幸子が真田広之に言ってたクサいセリフなんですけど、私は旦那と息子にしょっちゅう言い放って悦に入ってます。えへへ。

 こないだ、お笑い芸人の中川家のお二人が、「お互いの家族と交流がなく、子供同士もほぼ会ったことがない」とTVで言っていて非常に驚きました。ともに結婚して子持ちなのですが、数年前、剛(兄)の入院中に礼二(弟)と兄嫁が相談のために集まり、そのとき子供同士を会わせたのが初めてだった、とかなんとか。あんなに仲の良い兄弟でも、そういう距離感で付き合っているんだ、と意外でした。
その理由を、「恥ずかしいやん」ということでサラッと流していましたが、そっか、そんな付き合い方もできるんだ、していいんだ、と、少しホッとしました。そうだよね。色んな付き合い方のかたちがあるよね。みんながみんな、石田純一ファミリーみたいに色々な確執を乗り越えて、和気あいあい一家団欒できるわけないもんね。

 GW中、義実家のご両親にベッタリ懐いて、SNSに仲良しっぷりをアップする「いい嫁」たちをどこか別世界の物語のように横目で流しながら、私は今年もひたすら愛犬の写真ばかりアップすることでしょう。「ちょっと早めのサマーカット♬」みたいな、仲の良い友人でも「知らんがな」としか言いようのない写真にも、お情けで50いいねぐらいはつくから動物って強いですよね。数字持ってる〜!

Text/ティナ助