共働き夫婦が実際に困っていること3選

実際のところはどうなのかと、今回も編集者さんに家計管理で困っていることを周りに聞いてもらったところ、

・銀行口座は夫婦別または一緒?どちらの名義で口座を作るべき?
・家計管理をするのはどっち?固定費などの支払いは誰がする?
・一ヶ月の貯金のベストな割合は?

というお悩みを例のごとく光の速さでいただきました。どれもあるあるですよね。

銀行口座は夫婦別または一緒?どちらの名義で口座を作るべき?

順番にお悩みへの回答をしていきます。まずは入り口の銀行口座の問題について。

まず、当たり前の確認ですが、事実婚とか夫婦財産契約を結んでいるとかでない限り、夫婦が結婚後作った財産は夫婦の共有ものになります。結婚前の財産は夫婦それぞれの個人財産となります。

これ、普段はあまり意識されないかもしれないですけど、夫婦が結婚後作った財産は「共有財産」として離婚時に分割されるので、離婚経験者はよく分かっていることですね。

離婚を誰もが想定する必要はないでしょうが、一時的に口座を分けることは権利関係を明確にするというより、夫婦の気持ちの問題と考えるといいと思います。実際、夫婦間での金銭のやり取りは、それ以外の人と違って贈与税がかかりません。つまり、夫婦は家計として一体として見られるということです。

口座を分ける目的は、後は、結婚前の個人の財産と分けておくぐらいの意味合いですかね。

実際に、どのように口座を作るかは、共働き世帯だと共有口座を作ることが多いと思います。家庭に関わる支出はその口座から支払う形ですね。

この共有口座にどのような割合でお金を入れるかというのが、先ほど紹介した背景により、揉めがちです。女性の方が収入が低い状態になりがちなので、1:1にすると、女性側の負担が大きすぎるんですよね。

妊娠・出産を機に一時的に無収入になる可能性もありますし、男性側も職を失うことがないわけではありません。二人で助け合うために家庭を作っているわけですから、お金を払う割合を固定して、どちらかが困っているのにそれを放置するのは好ましくありません。

普段は共有口座に、そのときの夫婦の給与の比率でお金を振り込み、お互いに何かあったときには振り込む金額を柔軟に変更する、ぐらいの前提にしておいたほうがいいと思います。

家計管理をするのはどっち?固定費などの支払いは誰がする?

次のお悩みは、出口の話ですね。

オススメは、基本的な支払いを共有口座に紐付いたクレジットカードで支払うようにして、どれくらい使ったか二人で定期的にチェックすることです。

家計管理をどちらかの仕事にしちゃうのはありなんですけど、今は何でもカード払いができるようになっていますし、銀行口座で引き落としすることもできますし、何にお金を使ったかというのは、ほぼ自動的に集計できます。

「何にどれくらいお金がかかるか」を夫婦二人が把握していないと、共有口座にいくらお金を振り込むかを決められませんし、支出を抑えようという気持ちも生まれてきません。

家事分担でも紹介した通り、家計管理も見える化して共有して初めて二人の問題として対処ができるようになります(参考:家事分担はこれで一生揉めない!苦手な人も安心『見える化』シート付 )。

誰が何にお金を使っているか分からない状態をなくすように、家計管理は透明性があるものにしましょう。

と、ここまで書いて随分長くなってしまいました。

最後のお悩みである『一ヶ月の貯金のベストな割合は?』を含めて、次の回では、どうやって蓄財していくか、子どもの教育費や家の費用に耐えられる家計を構築するかを具体的に紹介したいと思います。

Text/斗比主閲子
※2016年10月26日に「TOFUFU」で掲載しました。