最後に見た本格的な地獄

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM 「くさい!」と言っています

 と油断しながら見に行ったキリン、カバ、サイなどの集まったエリアが、いよいよ本格的な地獄で、色々考えさせられてしまった。
なんと彼らは、大きな身体を拘置所のようなスペースに押し込まれながら、「動物園」という圧倒的不自然のなかを淡々と生きていたのです。

 それが力強くもあり、せつなくもあって、人間として罪悪感を感じるところでもありました。
いや、罪悪感が一番大きかったと思う。

 パンダから通して、メジャー→マイナーメジャー→サブカル→アングラと堕ちて行くグレードから、私たちはなにか哲学を得なきゃいけないのかもしれない。
そうでもなければ、動物たちから奪った自由が浮かばれないと思う。

 アイドルに置き換えてもそれはきっと同じで、ただ消費するだけの存在に留めてはいけないんだろうな……と、必要以上に思考を重くしながら、糞尿の香る上野動物園を後にしました。

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM
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 それから帰りはちょっぴりアメ横も覗いてみたのですが、動物園以上に動物化した人間の活気が凄まじく、食欲、物欲、性欲、自己顕示欲、そしてエゴの渦巻く上野はつくづく人間の街だと思いました。
すごいところです。

Text/少年アヤちゃん

少年アヤちゃん 東京散歩 コラム 上野 AM おまけ

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