客層は想定以上に濃厚で、特にファンの間で「魔窟」と呼ばれているシングル席からは妖気すら漂っていました。
終始無表情のゴスロリ女子や、なぜかずっと特定の執事を睨みつけている遠野なぎこ似の美人など、どの人もキャラが濃く、『人生・色々』を肌で感じました。

 その後、とうとうベルを鳴らしてトイレに行くことになったのですが、やはりニヤニヤを浮かべるしかない状況になってしまい、かなり恥ずかしかったです…。
そして恥ずかしがっている客を見て内心嬉しそうな執事男子たちを見ていたら、テーブルについてからずっと味わっていたモヤモヤが晴れました。
それは、「サービスを受けている」というより、「サービスをした気になっている男子達に付き合ってあげている」という感覚からくるものです。
実際、この数十分間に味わった数々のルールを思い巡らせてみても「トイレに勝手に行くな」とか「トイレから勝手に戻るな」とか「お茶を勝手につぐな」とか明らかに注文が多すぎだろ子供か。
ちょっとでも破ると不機嫌になるし、まるで亭主関白(ワガママ)にでも捕まったような気分になるではないですか。

 けど、むしろ「男子のゴッコ遊びに付き合う」というのがこの店の本質なのだとしたら、俄然愛せそうな気がします。
何より、お遊戯目線で改めて見た男子たちのまあなんと愛らしいこと! 気取った顔や、照れた顔も全てかわいく思えます。

ムリな敬語もかわいい。緊張した目元もかわいい。
恋心より、それ以上に始末の悪い母性のはけ口として使うには最適のお店だと思いました。

 と、ようやくこの店の魅力が分かったところで時間が来てしまい(制限時間80分)、最後に勇気を出してお気に入りの執事を呼んでみたところ、びっくりするくらい全力で無視されてしまいました。
日本男児のサービス精神なんて所詮こんなもんです。
ショックで泣きながら店を出ました。

【次回池袋篇第二回に続きます】

少年アヤちゃん 恋の東京散歩 池袋には割と溶け込むアヤちゃん

プロフィール

大泉りかさん 少年アヤさん 犬山紙子 脱ブス

少年アヤちゃん

平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。 ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントなどを主催。モテない女に関するツイートやブログの文章が、現在多くの女性から支持を集めている。
ブログ:少年アヤの尼のような子
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