暴力は、決して良いものではありません。
たとえば、自分の子どもがひどい弱い者イジメをして、口で言っても全く反省せず何度も繰り返すから父親のゲンコツが飛ぶ、自分の大切な人が危険に曝されているのを助けるために相手を殴る。
これらは躾の一環や正当防衛となり、自分の子どもが道を間違えないように守るため、自分の大切な人の命を守るためのものです。
“殴る”ことに責任を負い、理由と葛藤があってこその行為で、暴力ではないとわたしは思います。

しかし、彼がやっていることは自分の弱さを隠すため、チンケなプライドを守るため、力を誇示して相手に恐怖心を与えるため、自分の思い通りに相手をコントロールするための行為で、自分本位で責任すら負わないクソクソクソ暴力です。
殴る・蹴るという直接的な攻撃がなかったとしても、大きい音を出したり家具を蹴ったり物を投げたりして、あなたに恐怖心を植え付け尊厳を傷つけている時点で、立派なクソクソクソクソクソ暴力で、彼はモラハラウンコ野郎なんですよ。

人間誰しも、良いところと悪いところがあります。
きっと出会った当初の彼には良いところがあったから付き合ったのでしょうし、悪いところに気づいてもなお良いところが見えているから嫌いになりきれず、別れに至っていないのでしょう。
もちろん、相手の良いところにしっかりと目を向けて常に魅力を感じることは素敵なことですし、悪いところばかりが目について相手を否定するようなことはしない方がいいですよね。
でも、彼に良いところがあるからといって、これからも我慢して付き合い続けるのでしょうか？

悪いところを見ないように蓋をして誤魔化してしまうと、だんだんと視界が曇って心の傷にも鈍感になり、自分のことを守れなくなってしまいます。
あなたは「わたしにも悪いところがある」とおっしゃっていますが、人間なんだから当たり前のこと。
暴力を振るっていい理由にはなりません。

あなたは自分の非を認めて謝罪し、彼と話し合い、改善しようとする姿勢を見せる、人が付き合う上でとても大切なことをしています。
わたしは、人と向き合って自分の気持ちを自分の言葉で伝えることは、何よりも大切なことだと思っているので、あなたのその姿勢はとても素晴らしいことだと心から尊敬します。
しかし、それは前提として相手が“人間”であるからすべきこと。
彼は、その努力ができない、しようとすらしないモンスター。
モンスター相手に、あなたの真摯で優しい気持ちを向ける必要はないのです。