『チャラかったヒーローがヒロインに出会って一途に変わる』なんて展開は、少女漫画では定番だけれど、現実にはそう起こらない。ファンタジーだからこそ、フィクションとして見せる価値がある。

現実にももちろん、ひとりの女性に安定的に水を与えつつ、良いタイミングでフラペチーノを差し入れてくれる男性もいる。けれど、そういう人は女性で言えば「清楚なのにエロくて家事も完璧なワーキングマザー」くらいにレアだ。

フラペチーノを追い続けるのも悪くはないが、多くの女性には、生涯追いかけるだけの体力はない。それでも手を伸ばしてしまうから、あの緑のロゴは厄介である。

ちなみに、わたしの好みのタイプは昔から、フラペチーノ男より水男だ。keyくんより早坂さん、タクミよりノブ派である。だからチャラ男にハマった経験はそんなに多くはないのだけれど、ガチなスタバのフラペチーノは、毎日飲まなければ気が済まない時期があった。飲んだらランニングが無駄になるとわかっていても、足を運んでしまうあの感じ。
危険な男とフラペチーノは、今日もわたしたちを悩ませる。

Text/白井瑶
初出:2018.04.26