不倫女子の「愛」と私たちの「言い訳」

不倫女子の現状を知れば知るほど、「健気さ」「愛の深さ」に胸を打たれることでしょう。そしてその感動は刃となって周囲の女子に突き刺さるのです。「不倫女子の愛に比べてお前は何だ、世間体を気にした恋愛ばかりしやがって」と。

「スペックを気にしているわけではないの。でも両親が彼の収入が低いのを気にしてて」「この年になると、子供の養育費も考えるよね」

こんな風に、私たちはキレイな言い訳を使って自分が「世間に愛されるような」恋愛をしていることを正当化します。(私もします。)不倫女子の愛情はそんな恋愛へのアンチテーゼです。たとえ世間から非難されて、訴訟を起こされるリスクを負ってでも「彼に愛される」ためだけに生きる姿は、私たちに「本当に、周りから愛されるだけの恋愛でいいの?」と迫ってきます。

もし私たちが「周囲に愛される、認められる」恋愛だけが正しくて「彼に愛されることなんてどうでもいい」と思っているのなら、私たちはいくらでも不倫女子を止めることができるはずです。
「そんな不毛な恋愛、やめなよ」
「奥さんと結局離婚してくれないんでしょ」と。

でも、私たちは心の底ではわかっています。自分たちが周囲に愛されることを優先して捨てた、「ただ愛される幸せ」を不倫女子が手に入れていることを。それを少し、羨ましいと思う気持ちを。

不倫はアラサー女子の最後の希望

もし不倫をしたことない女子が「それって本当の愛じゃないよ」「将来の約束も含めて、責任を取ることが愛情でしょ」と言い出したら、それは自分の生き方を否定しないための防御です。愛にひたむきに生きること、小さな愛情を大事にすること。それができていない私たちに、不倫を止める資格はありません。

あなたの不倫がハッピーエンドになればいい。それが不倫女子をインタビューした後に出てきた私の答えであり、不倫女子を見守る自分は愛をあきらめた女子に残された、最後の希望なのです。

Text/トイアンナ