北国コンプレックス

かくも寒さが苦手な私なので、北国への移住は絶対に無理です。
だから北国出身で寒さが平気な人を見るとちょっと羨ましいと思いつつも、もしかしたらあんな寒い所に住み続けられるなんて閾値か何かがぶっ飛んでいるのではないかと複雑な気持ちで見てしまいます。
確かに知り合いの北国出身の人もぶっ飛んでいる人が多いような。
気のせいですかね、ほほほ。

北国への理解を深めようと何度か北国のメリットはないか考えました。
私が考える北国最大のメリットは雪という水資源があるので、春、夏、秋の実りが素晴らしいということです。
北国の雪が降る地域で水不足って聞いたことがないですよね。
あれはやっぱりちょろちょろ雪が溶けて山や地面に染み込んで豊富な地下水や水資源になっているからだと思うんです。
だから水を沢山使う稲作にも適しているし、美味しいものがいっぱい取れる。

後は雪で全てが隠れるから、雪で隠れたものを補うためにイメージ記憶が強くなります。
実は1月の大雪の時、はしゃいでちょっと近くのコンビニまで買い物に行ったんですね。
はしゃいでいたせいか、コンビニで3000円分も買い物してしまったんですが、帰り道いつも曲がる道を通り過ぎてしまいました。
いつもコインパーキングの手前で曲がるのですが、そのコインパーキングを大幅に通り過ぎていたのです。雪で覆い隠されて気が付きませんでした。
雪国の人達はそういうことで迷わないように、何もない状態のイメージを雪の上からも想像できなければなりません。
それこそ側溝や用水路などが隠れてたら命取りです。
イメージ記憶は想像力の種になります。頭の中に残したイメージ記憶で色々遊べるからです。
だから心なしか北国の人は想像力が豊かな人やロマンチストが多いような気がします。

北国への挫折と憧れ

上記の二点が私が考える北国のメリットです。
あと、寒い時に寒い所で取れる魚は脂がのって美味しいくらいかな。
でもね、やっぱり無理。寒いと私動けなくなる。
ということでやはり再び戻って北国の人を羨ましいと思ったり、閾値がおかしいと思ったりの無限ループです。

2月は統計上もまだまだ雪が多い季節です。
雪が降る度に北国の人について考え、そして北国に挫折する私です。
北国の人に恋でもしたら変わるのかしら。
でも、流れ流れて北見辺りでゲイバーやってるっていう人生にも憧れるのよね。
網走で刑期を過ごしている恋人を待ちながら。
倍賞千恵子さんとか加藤登紀子さんみたいなイメージ。
東京でも想像力は育つみたい。ふふふ。

Text/肉乃小路ニクヨ

次回は <週刊誌を批判するのは簡単。拡散する情報でわかる「人間の値打ち」>です。
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