Campの精神

 ブルボンヌさんが立ち上げたUC-GALOP にアクセスすることで、私は同世代のゲイの生の考えや声を聞くことができました。
そうしてそこで“Camp”という考え方を初めて知ることになったのです。
Campという単語は、もともとナヨナヨした、同性愛的なとか、女々しいとか、否定的な意味を持つ言葉でした。
そのマイナスな意味を同性愛者達がユーモラスに誇張して遊ぶことで、本来の意味を笑い飛ばして、昇華させたのです。
その一つが女性っぽさを過剰にしたオネエの文化でしたし、女々しさを大げさに演出して別の概念に変えてしまうドラァグクイーンという存在でした。

 マイナスの意味を持つ言葉を逆手に取って遊び、本来の意味を反転させる。
これは、長い間世間から虐げられてきた同性愛者が自分たちのマイナスイメージをひっくり返すために始めた、頭を使った戦いでもあったのです。

 手厳しいことを言うと、今の時代はそういった背景を理解せず、女性的な言動だけでオネエとする風潮があります。
だから薄っぺらいオネエが沢山いるんですね。
昔のオネエはガッツとプライドがありました。