優しさ問題

 大きな災害があった時は優しさにも注意を払わなければなりません。
非日常の中で、自分の正しさ、優しさを検証することなく、振りかざしてしまうことがあります。
また、オカルトに走ったり、不安に駆られてデマの拡散に手を貸してしまうこともあります。
全ての人に配慮することはできませんが、自分の好きな人を悲しませることのないように振る舞わなければとは思います。

 優しさって本当に難しい。
40歳を超えても、優しさって難しいのです。
だから、私は優しさを積極的に発揮しようと思うことはありません。
日常の動きで、仕事で、目の前の人に気遣いをしながら、粛々とこなすことが、結果として優しいということになると思っています。

 大きな出来事があると急に優しさ発揮しよう、優しさ発揮すべきという空気が流れます。
でも発揮しようと思ってする優しさって、独善になることが多いのです。

 こんな時だからこそ、優しさを無理に発揮しようと思わず、丁寧に好きな人達に配慮しながら、目の前の仕事をこなし、ささやかながらも消費を続けたいと思います。

Text/肉乃小路ニクヨ