女友達を慰める方法2パターン

そうなると残る慰め方はふたつ。浮気された本人である女友達を褒めて上げるか、浮気相手の女性を貶して下げるか。

自他ともに認めるクズ男性好きで(失礼)、元夫に複数回浮気された結果、離婚に至った経験のある、友人で官能作家の深志美由紀さん(原作を担当した、「登場人物すべてイヤなヤツ」なサイコパスサスペンスコミックス『幸福は不幸の種』が竹書房から絶賛発売中)が言うには、「『その男にあんたはもったいない!』とかは嬉しいかも。あと本当にクソなんだけど、結局男とは別れない場合は、『ここまでできるのは、あなただけだよ!』『あの男のこと受け入れられるのは、あなただけだよ!』みたいなのもちょっと嬉しい」とのことで、確かに浮気をされると、自尊心が揺らぐし、いくらパートナーに「ただの気の迷い」「身体だけ」と言い訳されても、「わたしは気が迷うくらいの存在なの?」「わたしよりも身体がいいってこと?」と、女としての自信はへこんだまま。そこを盛り上げるのに、女友達の励ましは非常に有効だと思うのです。

一方、わたしに関していうと、自分を上げられるよりも相手の女性を下げてほしいタイプです。以前恋人に浮気されたときに、女友達から言われて一番嬉しかったのは「えっ! 相手の女、ドブスじゃん!」という言葉で、自分自身はブスという言葉を使わないことを、極力心掛けているのにも関わらず、ブスという言葉に癒されるというアンビバレンツ極まりない始末ですが、その次に嬉しかったのは「今から、相手の女の家のポストにうんこ詰めに行こうよ!」
こうして振り返ると、自分の卑小さにほとほと呆れてしまいますが、ドブスやうんこという言葉が、傷ついた心を慰めてくれることもある。できれば、パートナーに浮気をされた女友達を慰める機会なんて、全くもってないに越したことはないけれど、もしもそういう機会が訪れたなら、わたしは綺麗な言葉も汚い言葉もすべて尽くして慰めようぞ。

Text/大泉りか