意外と難しい「人には立ち入らない」こと

もちろん、気にかけてもらえるのはすごく嬉しいことなのだけど、一方で明らかに見咎められているような気分になることもありました。
それは、自分で「妊婦でも夜遊びをする」と決めつつも、心の奥底では「良い妊婦」ではないことに、うっすらと罪悪感を抱いていたからのでしょう。

だからこそ、スナックのママには何も言われなかったことが、すごく嬉しかった。
さすがは長年、さまざまな人間を相手にしてきたプロ「人には立ち入らない」という、徹底した姿勢に感服したし、もしも自分が、世間や自分の常識から離れている人を目にしたときでも、立ち入らずにいられる人になりたいと思ったのです。

「人に立ち入らない」というのは、決して簡単なことではありません。「それはいかがなものか?」という物事を目撃すると、自分とはまったく関係なくとも、ついつい口を出したくなってしまう。でも、人をジャッジする権利なんて、もとからない。

それにも関わらず、「いかがなものか」と言外に非難するようなことを言ってしまうのは、正しいとされていることを口にするのが、快感であるからです。
しかし、人を貶めて得る快感っていかがなものか……とこうやって自分で自分の首を絞めてもいるわけですが、とにもかくにも、本当に困っている人には手を差し伸べ、そうではない人のことは、きちんと放っておける人になりたいものです。

Text/大泉りか