なんで私だけめんどいの?結婚して考えた夫婦別姓の必要性

結婚は書類手続きとの戦い

結婚指輪を並べながら婚姻届を書く夫婦の握る手の画像 Pixabay

 わたしが結婚したのは、2012年の11月のことでした。去年の10月から書いてきた長きにわたる恋愛闘争にようやく終止符を打つことが出来て、めでたしめでたし……と思いきや、まず最初に直面したのは、煩わしい書類手続きとの戦いでした。

 結婚して夫婦いっしょの戸籍をつくるということは、苗字が変わるということです。いえーい、大好きな彼と同じ苗字が名乗れてめっちゃ幸せ! というほどのテンションは正直ありませんでしたが、それでも淡い喜びはありました。

 というのも、結婚したことを唯一実感できるのが「苗字が変わる」ことだったのです。すでに一緒に暮らしていたし、寿退社ならぬ寿引退も当然考えておらず、結婚したところで、なにか目に見えて環境が変わることは、他にほとんどありませんでしたから。ついでにいうと、苗字の格上げ感も地味に嬉しかったです。わたしの本名はあんまり垢抜けない感じなのですが、夫の苗字は武将っぽくてちょっとかっこいいのです。

 しかし、そんな淡い喜びは、すぐに消え失せることになりました。その理由こそが、諸手続きの面倒くささです。そもそも、夫婦いっしょの戸籍をつくるだけでも、いくつもの書類が必要です。20歳以上の証人ふたりの署名と捺印、印鑑、戸籍謄本(または抄本)に、本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)。

 わたしたち夫婦の場合は、ふたりとも都内に本籍があったので、戸籍謄本を取り寄せるのは比較的楽でしたが、それでも、彼の本籍がなぜか出身地である墨田区ではなく、その先の足立区にあることが発覚して、ドライブを兼ねて足立区役所くんだりまで赴きました。そういう煩わしいことも「わたしたち、本当に結婚して夫婦になるんだ!」というモチベーションで乗り越えましたが、問題は苗字が変わった後です。