「二回」をいつ、誰に使うか

わたしの持っている『二回までは浮気しても許される権利』は、「浮気してもいい」という夫のお墨付きなわけで、非常に都合がいいはずだが、しかし、これが意外とネックな代物なのだ。というのも、『二回』と限定されているからだ。

ちょっと考えてみて欲しい。

例えば、「何が食べたい?」と尋ねられた場合は、その時に食べたいものを選べばいい。が、もしもそれが「世界が滅びるまでに残り二回しか食事ができないけれど、何が食べたい?」と聞かれた場合は、ものすごく悩みませんか? 二回というリミットがあるのだ。マズいもので腹は膨らませたくはない。
しかし、「この機会にぜひ一度、今まで食べたことのない高級なものを」とも考える一方で、慣れ親しんだ味を再確認して「やっぱりこれだよね」とするほうが無難な気もする。

人妻が婚外恋愛に奔るひとつの理由として「女として、自分がこのまま終わっていくのが怖い」というものがある。

しかし『二回』をいつ、誰に使うかを考えている限りは、いつでも自分の“女”を取り戻せるという安心感がある。それがわたしの心に余裕を与えている。

というわけで、もしも貴女が夫になんらかの貸しがあるなら、『浮気が○回まで自由な権利』を貰うといいですよ。

…次回は《不倫する既婚男性の気持ち…結婚後も興奮するセックスしたいだけ?》をお届けします。

Text/大泉りか

初出:2015.04.11