ウンコは狙って投げるべき

アル:あと男尊女卑アレルギーが強いと、男社会や男尊女卑野郎に対する怒りを、目の前の相手にぶつけてしまいがちだよね。感覚が違うだけで、相手はべつに男尊女卑じゃないのに「どうせコイツも男尊女卑だ、だから日本の男は!」みたいな。
それは無差別にウンコを投げるゴリラと同じで、ウンコは狙って投げるべきなのよ。

A:ほんとそうですね。「ウンコを投げるべき相手なのか?」をしっかり見極めないと。

アル:我々もハイスペ狙いの銭ゲバ女と一緒にされたらイヤでしょ。「だから女は」と一括りにされたら「一緒にすんなバカ!」と思うし。
私は「森を見て木を見ずはダメ」「人にはそれぞれ事情がある」ということを、つねに忘れないようにしている。

A:男女限らず、自分と全く同じ価値観を持った人間なんていませんもんね。

アル:Facebookで夫を主人と書く女子を見ると「主人て!!!」とドン引くけど、それも本人の育った家庭や環境の影響もあるんだろうし。変な言い方だけど、べつにその子だけのせいじゃないというか。

 私は男女の双子だったけど、家事も習い事も均等にさせられたし、「男だから」「女だから」と言われたことは一度もなかった。ジェンダーフリーな家庭で育ったうえ、リベラルで自主自立な女子校で育ったことで、今の自分が出来上がったと思う。

A:私もジェンダーフリーな家庭で育ちました。両親共働きで父も家事育児を分担してましたし、あと父が病気がちで早期退職しているので「夫婦の片方しか働いてない」のはリスキーすぎて選択できない、と人一倍思ってますね。
それと私はずっと公立共学育ちですが、中高は生徒会長もしてましたし、「トップは男がやるべき」みたいな言われ方をされたこともなかったです。

アル:生徒会長だったのか~!Aさんは女性初の大統領になれそう。

A:大統領?(笑)
就職してからも、女性だからといって不利益を受けたことはなかったです。だから婚活で初めて男尊女卑の壁にぶつかったというか。「共働きでも家事育児は女性がやってくれる」と思ってる男性の多さなどをリアルに感じました。

アル:譲れない部分は無理して譲る必要ないけど、言葉だけで判断しないことが大事だよね。
たとえばうちの夫は家事スキルが低いんだけど、お母さんが全部やっちゃう人だったのよ。
「どうせあんたが洗ってもキレイにならへん」「あんたが料理すると台所がちらかる」とか言って、息子に家事をさせなかったみたい。そりゃそんなこと言われたらムカつくし、やる気もなくなるよね。

 ただお母さんも戦中生まれで、「女が全部やって当然」という時代に育ったわけだから、お母さんのせいでもないし。

A:人にはそれぞれ事情や背景があって、本人だけの責任じゃないんですね。

アル:もし夫と出会った当初に「料理はするの?」と聞いて「いやオカンが作るからしない」と返されたら「この人はないな」と判断したかもしれない。

A:「結婚したら妻が作ってくれるという前提でしないのかな」と思っちゃいます。

アルそこで勝手に決めつけないで、質問すればいいと思う。「結婚して共働きだったらどうするの?」と聞いて…そこでまた「手伝う」とか言うのだろうが(笑)、自分も分担する意志があるかを確認すればいいよ。

A:たしかに、そこで「食事は全て奥さんに作ってほしい」と言われたら「ない」と判断すればいいわけで。

アル:引っかかったらその場で質問して掘り下げるといいよね。