「女性=神秘的なもの」幻想

S: さらに気持ち悪いこと言うと、僕は男子校出身だからか、女性を神秘的なものだと考えているフシがある。自分とは違う生き物というか。

アル: それって気持ち悪いし、迷惑ですよね。
つまり女を生身の人間と思ってないってことでしょ?

 女にはドロドロした感情なんてなくて、綺麗で優しくて無条件に受け入れてくれる女神的存在っていう…Sさんもマザコンなんですかね?

S: いや、マザコンではないよ。うちの母は人間的には良い人だけど、気ままな人で母親らしくなかったから。
無条件に受け入れてくれるって感覚は一切なかった。

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アル: ただ、シャアも母との関係が希薄だからこそ“母なるもの”を求めたし。
「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ」とか死ぬまで言っていたから(映画『逆襲のシャア』より)。

S: ああ、それはあるかも。母らしくない母だったから“理想の母親像”を抱いたのかも。
…そういう幻想をアルに見透かされたと思うんだけど。

 ただ、僕は女性に幻想を押しつけることは絶対しない。「女はこうあるべき」みたいな考えは大嫌いだし。
心の奥底に幻想はあっても、行動には出さないよう気をつけている。

アル: 知っています。だから私、Sさんが好きなんですよ。
Sさんは精神的にマッチョじゃないから。だから同期の女子会にもなぜか招かれたりするんです。

S: 自分でも違和感なく馴染んでいた気がする。
僕、おばちゃんっぽいって言われるんだけど。

アル: あ、それ、みんな言ってますよ(笑)。