バイトをクビになっても彼といたい…

J: 相手に合わせてしまうことと、共依存はまた別の話になってくるかと思うんですが、共依存については、どんなことがあったんですか?

な: これまたDVの元カレの話になってしまうのですが、今考えてみると、自分の世界が彼だけになってしまっていたんです。
付き合っている間は学校にも行けず、バイトもクビになり、ずーっと彼の家にいて、それが幸せで、結婚すると思い込んでました。
それで最近の恋愛もその元カレのように、コントロールしようとしている自分がいたんです。「どっぷり愛の巣!」みたいな生活にしようと。

J: ほうほう。その後どう変化しましたか?

な: 彼を悲しませてしまい、ケンカになりました。
そのときに自分ってもしかして恋愛観が狂ってる?って気づいたんです。でも、わかっていても、改善ができない。

J: どういう風に悲しまれたんですか?

な: 彼をコントロールしようとして、「なんで会えないのか、会えないならメールをマメにしろ」、「なんで一緒にいれないのか、努力すべき」という感じのことを強い口調で言ってしまいました。
さらに、彼の人格否定とかしたんですよね。それで泣かせてしまって。
好きな人をこんなに傷つけて私は何がしたいんだろう、恋愛する資格があるのかなって思ってショックでした。

J: なるほど。恋愛に資格は必要ないと思いますが、好きな相手を悲しませることは、できればしたくないですよね。
「共依存」「コントロール」という言葉がでてきていますが、そのあたりのことはいろいろ自分で調べたりしてみたんでしょうか?

な: 福祉の大学を出ていて、心理学なんかも学んでいました。
なので、どっちかというと授業が先で、自分でケーススタディという(笑)。

J: 勉強したけど、できない!ということか。
そりゃすぐにはできないですよね。
相手もなめこさんもその人間関係に捉われている…という状態が顕著だったのは、DV元カレのときだけでしたか?

な: そうですね。その後付き合った人や、好意を持ってくれる人に依存の気配を感じるとなるべく避けてきたので、共依存になったのはDV元カレが最後ですね。
だから、まともな人を選んでるはずなのに、自分から依存して相手を傷つけて、ふられるという感じです。詰んだ!

J: 大丈夫!まだ詰んでない!
相手に問題があるのではなく、どうやら自分の方らしいと分かっているのはとても大きな一歩だと思いますよ!

な: ジェーンさんに言われると心強いです。

J: 依存をしてしまう人はどんな傾向にあるということは勉強しましたか?

な: これは大学で勉強したのか、家族機能が壊れていたり偏っていたりするとなりやすいみたいですね。

J: でも、家族機能に不完全なところがない人なんていないですよね。どの家もそこそこヘン。

な: 確かに(笑)。そりゃそうですよね、「うちの場合は、父性の役割が…」とかそんなこと考え込んでました。

J: うん。普通の家庭なんかねぇよ(自論ですが)

な: でも、そうなんですよね。きっとそう。今まで気づきませんでした。

【つづく】
次回は、「彼との距離の取り方は“友達”との距離を基準に」をお送りします。

Text/ジェーン・スー