2. ほどよい距離感を保てる“理性”とは?

例えば、相手との距離感を間違え、肉体関係を持ってしまったら、それは“ただの友達”ではありません。
性別が違う限り、時には、性的欲求が沸いてくることもあるでしょう。 だからこそ、男女の友情には、ほどよい距離を保てる“理性”が必須です。

距離とは、「物理的な距離」と「精神的な距離」の両方を指します。
物理的な距離でいうと、当たり前ですが、会う場所には気を付ける必要があります。 個室で2人っきりなんてことになると、人によっては相手を異性として好きではなくても、性欲が沸いてしまう可能性もあるからです。

一心同体になりすぎない距離感

精神的な距離についは、男女の友情に限らず、同性間でも重要なことです。書籍「大人の友情」(河合隼雄・著 朝日新聞社刊)によると、友情で壊れやすい原因となるのが、“同一視”なのだそうです。

相手に対して一心同体だと思えるほどの友情を感じられるのは素晴らしいことですが、常に相手と同一状態だと、お互いの自立の障害にもなります。さらに、自分と同じような人間だと思えたとしても、実際は別の人間です。
同一視をすればするほど、違いを感じたときには、「思っていた人とは違った!」と落胆することもあるし、ときには「私よりも優れている。悔しい!」と嫉妬してしまいます。それが友情にヒビが入ることだってあるのです。

どんなに心の距離が近くなっても、相手と自分は違う人間だと認識できる、ほどよい距離感が大切です。
どんな人とであっても、「親しき仲にも礼儀あり」なのです。