大人女子という言葉に反論?

私自身、このコラムでも使っている「子供おばさん」という造語は、世間に浸透している「大人女子」の反対語として作りました。しかし、「大人女子と子供おばさん」という言葉を使ってコラムを書き始めた時、読者の中には、コラムの内容そのものよりも、「大人女子」という言葉に対して「大人なのに女子という言葉を使うなんて!」と反論される方がいて、正直、驚きました。

「……ひっかかるところが、そこなの?(汗)」と。

本音を言ってしまえば、別に大人女子と子供おばさんという言葉が気に入らないのなら、「大人の女性」と「子供っぽい女性」と換えて読んでいただいて全然構いません(笑)!本来、伝えたいことは、そこではないからです。

補足をすると、大人の女性が本気で「私って女子だわ!」なんて思っている人はそうそういません。言葉遊びであり、シャレです。そのシャレも分かるかどうかも、「大人女子」と「子供おばさん」の境目とも言えるかもしれませんが……。

単なる“あげ足とり”になっていない?

現代は、言葉を表面的なところで受け取ってしまう人がものすごく増えてきたなぁと思っています。
言葉で表現できるものには、限りがあります。さらに「やばい」という言葉のように、時代によって意味が変わり、人それぞれにその言葉の持つ印象が違うことだってあるものです。
だから、単にその言葉の意味だけではなく、言った人がその言葉に込めた真意や意図をキャッチすることが大切だと思うんです。

「ありのまま」の例のように、「ありのままでいい」と「ありのままではダメ」は、言葉だけでは真逆のことを言っているようでも、伝えているのは同じ方向を指していることが多々あるもの。
そこに触れずに、ありのままが良いだの、悪いだの、なんて、表面的な言葉ばかりに囚われてしまっては、もったいない。それだと、単なる“あげ足とり”になってしまいます。

大人女子は、言葉の表面的なものよりも、その人がその言葉に込めた“思い”を感じとろうとします。
だからこそ、自分にとって役立つメッセージもすんなり受け取ることができ、自分をより磨くことができます。
さらに、相手の言葉に含まれた思いを受け取り、理解できる人だからこそ、人と上手にコミュニケーションをとることができるのです。

大人になると、“言葉の裏”ばかりを読もうとしますが、必要なのは裏ではありません。その人の“思い”を汲み取ることなのです。
コミュニケーションの基本は、「思いの伝え合い」です。言葉の表面的なところばかりに囚われていたら、それはコミュニケーションではなく、単なる「言葉遊び」になってしまいますよ?

大切なことは、相手の思いを受け取ること。相手の言葉に込められた真意まで汲み取れる人でありたいものですね。

子供おばさん……言葉の表面的な意味ばかりに囚われ、人のあげ足をとる。
大人女子……相手が言葉に込めた真意をきちんと読み取ることができる。

Text/ひかり