自分のことしか考えてない男に女が寄ってくるわけない

 それは、オタクフランス人の彼と同じく自分のことしか考えてなくて、(それだけならまだマシなのに)勝手に女性から言い寄って来てセックスできてしまう。
そんなアホな!
『ノルウェーの森』のせいで、世の中が彼の新作にどう騒ごうと、彼の文章が読めなくなりました。
本社で表紙をぺらっとめくっただけで鳥肌が断つ程、怒りのような、ぞっとした嫌悪を感じるのです。

 村上春樹の本はパリの本屋でも大きな棚がある程人気です。
フランスだけでなく、どうも世界で人気との事。
人気があるということは彼の本に共感する人が多いということでしょう。
それに、世の中の雰囲気と合っているのでしょう。

 いやぁ、どうしても男の幻想としか思えないのに、女性でもファンが少なくないというのが謎です。

 恋愛や結婚は一人ではできないのになぁ。二人でするものなのになぁ。
だから相手とのキャッチボールができなきゃいけないし、ケンカもするし、分かり合える訳がないのに分かり合おうとするし、そういう面倒なことをしなきゃいけない。

 相手が勝手に自分のことを汲んでくれる訳じゃなし、むしろその逆の方が多いです。
村上春樹の物語、主人公に共感するのも、嫌悪を感じるのも、あくまで好みの問題かもしれません。

 ただ、あの『ノルウェーの森』の共感や憧れが、あくまでファンタジーの中だけにとどまり、現実に「自分のことしか考えてない」面倒くさい人が溢れないことを祈るしかありません。

Text/中村綾花

AMをiPhoneアプリで読みませんか?

お気に入りのライターや連載を登録すると、プッシュ通知でお知らせすることや、お気に入り記事を保存できるので、AM読者は必携です!
ダウンロードはこちらから。

Twitter、FacebookでAMのこぼれ話をチェック!