カフェにいる最低なパリジェンヌたち

例えば、私がパリジェンヌ恐怖症になったのは、パリのカフェでの体験のせいでもあります。

まず、店員パリジェンヌ。
ある日、私がパリジャン(男性)友人と待ち合わせでカフェを注文したところ、声が小さかったのか「はぁ?」と、ものすごく不機嫌に聞き返されました。
彼女の表情は完全にブチ切れしていると言っていいほど。
「なんで客の私がキレられなきゃいけないんだ!」と日本人の私は心底納得がいかない訳ですが、基本的にパリに住む人たちは地方に住む人に比べて忙しいし、心も時間の余裕もないから冷たい、というのは有名な話。

カフェの店員の態度だけでなく、スーパーでもなんでも接客態度が非常に悪いのはごく当たり前でなのです。(日本の接客クオリティーが世界最高水準だからというのもあるけれど)
さらにパリジェンヌは女性に厳しいと言っていいかもしれません。

先ほどのカフェでの話しの続きですが、私が待ち合わせしていた男友達が到着し、彼が先の同じパリジェンヌ店員に注文をしたところ、彼女はニコニコの対応でした。
あからさまに男と女だと対応が変わるんです!

もっとひどいのは、また別の日にカフェにいた客のパリジェンヌ。
私が彼女のテーブルから椅子を借りようとフランス語で頼んでいるのにも関わらず、「My friend come」と妙な英語で返答されました。
冷たいなぁと思いつつも、お友達がくるから席を譲れないのはしょうがない、と思ったのですが、私が席を去る頃になっても彼女も友達なんて現れやしない。
ほんっとうに意地悪です。

こういう訳で、私はパリジェンヌといい体験がほとんどないので(もちろんやさしいパリジェンヌもいるみたいですが、私はほとんど見たことありません)できれば彼女らに話しかけたくないのです。
道を尋ねる時も、絶対にパリジェンヌではなくパリジャン・ムッシューたちを選びます。
意地悪なパリジェンヌに反して、パリジャンたちはとってもとっても優しいのです。
なぜかというと、彼らは女性に対して優しく接するように教育されて育つかららしいのです。

パリの街中でもパリジェンヌたちは真っ赤な口紅に長い髪の毛、ツンツンした表情でタバコを道端でポイ捨て(高校生くらいの若いパリジェンヌたちも格好をつけてタバコを吸ってます)。
パリの路上をじっくり見ると、犬のう○ちにまぎれて、赤い口紅の跡がついた吸殻がたくさん落ちてるのを見かけます。

もちろん、意地悪なパリジェンヌばかりではないと思いつつも、やっぱりサンパ(フランス語で「感じのいい」という風な意味)なパリジェンヌはとっても希少なんです。

Text/中村綾花

初出:2013.10.03