結局消えない「寂しい気持ち」

 ふと、独身時代にしていたけれど結婚してからあまりしなくなったことを思い出しました。それは、1人ファッションショーです。

 好きな音楽をガンガンかけて、最近着ていなかった服をかきだして、勝手気ままに着ては鏡の前に立ち、脱いでまた着替えての繰り返す…。

 ただ自分のためだけの何ともない習慣だったのですが、1人だからこそ何も考えずに没頭して自分のためだけに楽しむファッションショーは、明日を生きるリフレッシュ儀式だったような気がします。

 ただ、こうして1人で楽しんだ後、ふと1人ぼっちであることに気がついて寂しくなることもよくありました。

 1人の時間を楽しんだあと、1人であることに気がついて寂しくなる。結婚していても、1人ファッションショーができてないことに寂しく感じてしまう。

 結局、結婚してもしてなくても「 寂しさ」は消えるわけじゃない、ということも知りました。

 私たち夫婦のように四六時中一緒にいることで、相手への尊敬が薄れてしまう人もいれば、一緒の時間を過ごせなさすぎて心が離れてしまうという夫婦もいると思います。

 結婚生活は1人であることと2人であることの両方のバランスをうまくとらないと、壊れてしまうものなのだろうと実感しています。

Text/中村綾花