シュレーディンガーのクリトリス

—本書は童貞の助けになりそうですか?

そうですね。「恋する」「つき合う」など章ごとにまとまっていてるのがわかりやすかったです。
自分は交際をすっとばしてセックスしている素人童貞なので、「つき合う」の章は参考になりました。恋をしたことはない人は「恋する」、女心がわからない人は「女性」など、人によって参考になる章が違いそうですね。

—じゃあ「セックス」の章はもう知ってることばかりでした?

とはいえ、知らないことも多かったです。ここに書かれているのって、恋愛のステップを踏んだうえでのセックスで、僕は風俗なので…。

 とくに「AVを参考にしたら引かれると聞きましたが、じゃあ何を参考にすればいいですか?」の疑問に対する回答はすごくためになりました。加藤鷹みたいな手マンはダメなんだろうなと薄々感づいてましたが、じゃあ逆に何をすればいいんだろうって。セックス中って喋らないといけないんですね。

—そうですね。「かわいいよ」とか。

でも、他人を褒めるのって難しくないですか?
童貞って「結果」だと思うんです。女性がこわいとか、コミュニケーションが苦手とか、そういうコンプレックスがあって童貞に落ち着いてる。そんな自分を褒められないのに、他人を褒められないですよ。

—なるほど。

恋愛メディアがひろってくれない童貞の疑問を解決する本 「参考にすべきもの」は本書で確認してほしい

だからこの本は僕にはハイレベルな部分もあります。正解がわかっていても、実践できるかはまた別なので。

—実践だと、どのレベルにいるんですか?

恋愛より前の段階ですね。お互いが好意を持つコミュニケーションの取り方とか、なかなか「好き」って思えないとか、そういうレベルです。
だから、本書は恋愛からセックスまでのステップを網羅しているぶん、彼女をつくることへの道のりの遠さを感じてしまいました。一気に読まずに「ここから先は次のステップにいってから読もう」と途中で寝かすのも全然ありですね。

—本書を周囲の童貞に勧めたいと思いますか?

真性童貞には、どうですかね。彼らは「好きで童貞なわけじゃない」という思いが強いので、厳しいこと言われると否定された気持ちになっちゃうと思うんですよね。
ただ、セックスしたくてたまらないのに空回っている「脱童貞したい人」にはオススメしたいです。

—では、そんな脱童貞したい人たちへのメッセージを。

疑問を聞かれたときや、回答を読んだときにも思いましたが、これは決して童貞を否定するような本ではないです。「世の中の人はこう感じている」ということを伝える本なので、一意見として楽しんでほしいですね。だから、こわがらないでほしいです。

セックスはとても楽しいことです。たぶん、恋愛も楽しい。恋愛もセックスも絶対にしないとだめなものだとは思いませんが、楽しいことなので、必要以上に臆病にならないでほしい。で、やってみてもいいかな?と思ったとき、この本が助けになってくれると思います。

—素晴らしいコメント!

でもやっぱ厳しいですけどね、この本(笑)。バファリンでさえ半分は優しさなのに、この本は8:2で優しさが少ないっていう。

—じゃあ最後に…クリトリスの位置はわかりましたか?

触ったときに「これがクリトリスだ」とはわかるようになりましたが、まだまじまじとは見ていないので…シュレーディンガーのクリトリス状態です。

—そっか…。次回の風俗で目視できるといいですね。ありがとうございました。

  弊社素人童貞が紹介してくれたように、書籍版は同人誌版より力強く脱童貞を後押しする構成となっています。

  もちろん、童貞のみなさまだけに向けた一冊ではありません。
書籍化したからといって回答をオブラートに包むようなことはしておりませんので、「恋愛がうまくいかない原因は明らかなのにハッキリ指摘しづらいなぁと思っている男友達」へのプレゼントにもお使いいただけます。言いづらいことはAM編集部が伝えますので、冗談めかしてこの一冊をお渡しください。

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