もっと自由に考えてみていいし、自由にやってみていい

物語の終盤で、フランシスは親友のボビーに「二人の人間の間だけで成り立つものなんて、それどころか三人の間でも、存在しないんだって気づいた(p352)」と語る。自分とボビーの関係はメリッサとボビーの関係からも来ているもので、ニックからも、子供時代の自分からも、その他のたくさんのものからも来ていると。

私には主人公のこの考え方が、自分の価値観にとてもしっくりハマる。私が未婚独り暮らしにも関わらずそこまで孤独感が強くないのは、自分と誰かの関係が、誰かと他の誰かの関係を作るベースになっていることを、なんとなく知っているからだと思う。

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』は、様々な方面から「愛」を問う。長男と次男を平等に愛せると考える人はけっこういると思うけど、夫と恋人を平等に愛せると考える人が少ないのはなぜか。恋愛は、親子愛や友愛とは性質が違うのか。「愛」は資本主義に利用されていないか。結末で示される、フランシスと親友ボビーの選択はかなりアナーキーだ。「女同士の友情と不倫の恋が絡む青春小説なのかな?」と思って読み始めると、おそらく衝撃的だと思う。もちろん、それが痛快でもある。

というわけで私は、この小説をカップリングで悩むすべての二次創作オタクに……いや、様々な現実の「愛」に悩んでいる人に、読んでみてほしい。私たちはもっと自由に考えてみていいし、自由にやってみていいんだと思う。
本書を読めば、創作に、あなたの人生そのものに、深みが出るかもしれない。

Text/チェコ好き(和田真里奈)